ｋｚの癒しちゃんは元……だった！？ ー３ー

95、手紙を横目に　〜雪彩〜 ページ32

彩「んふぁ〜〜」

よく寝たなぁ

欠伸を抑えながら階段をおりる

いつも通りトイレに行ってから洗面所へ行き、顔を洗う

朝食を食べようとリビングへ行くとテーブルに置き手紙があった


【彩へ

昨日言っていた用事に出かけています

奈子も一緒に行くので朝食は一人で食べてください

多分夕方ぐらいには帰ってこれるかと思いますが、遅かったら先に夜ご飯を食べていても大丈夫です

気を付けて学校に行ってらっしゃい

　 母】


あれ奈子もいないんだ。


お母さんからの手紙を手に取り、手紙を横目に、コップにお茶をつぐ

お茶を戻そうと冷蔵庫を開くと、丁寧に『今日の夕飯』と書かれた紙が貼ってあるおかずが目に入った


”夕飯”ばかりで朝食はとくに準備されてはいないみたいだ。


夜には食べなそうなものを冷蔵庫の奥から引っ張り出し食べ始める。


今日は早めに家を出よう。

学校に行ったらもしかしたら事情を知った先生が声をかけてくるかもしれないし、翼と登校のタイミングが被って昨日のこと聞かれるのも嫌だし。



それにしても昨日の悠飛は何だったのだろう。

黒木くんのことだからと、

悠飛が小説のコンクールに出ないと聞いた時からなんとなく黒木くんに頼み事をされたんだなと感じてはいた。

でも、昨日急に黒木くんが「やっぱいいや」的なことを言った理由がどうも引っかかる。


だって悠飛にそれを言わなければ日常生活で私がどれだけボロをだしているかが分かって対策になるはずなのに。


悠飛がｋｚに言うとしても他のことで忙しいだろうから一番連絡するのが手っ取り早い(返信も早い)黒木くんにするだろうし、

もし道で会ってｋｚに情報を伝えても黒木くんや忍も知れるわけだから対策できることに変わりない。

だからといって、必要がなくなったからとなにも考えなしで黒木くんが動くとは思えない。

なるべく早めに黒木くんの意図を聞いて作戦を練るべきなのだろうが


一番早くても今日の夕方かなぁ....

今日の時間が無駄になってしまうことが分かり、少しテンションが下がる。


今日は自習の授業があったはずで深く練るにはもってこいの日なのに..

.....いかんいかん。


頬をペチペチと軽く叩き自分を奮い立たせる。


せっかく自分の勉強ができるんだ。

喜ばないと！


いつの間にか冷めてしまったスープを飲み干し、

急いで階段を上り下り。


彩「行ってきまーす」

扉を閉め鍵も閉めるのも忘れずに...

「アーヤおはよう。待ってたよ」

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