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「変わっとらんやん」
「･･･ごめん」
案の定、ダメだった。
それにくわえて今日はいつにもまして上手くいかなかった。尾白先輩に先刻「気張りすぎるな」(おそらく「頑張りすぎるな」)って言われたのに。
侑くんがいじわるで言っているわけではない、という事実がまた刺さるもので。一年生にその場を預けてモップ掛けに専念することにした。
ネットで動画を見ても助言をもらっても練習に付き合ってもらっても、球出しばかりはどうしても上手くなってくれない。向き不向きがあるとは言うけれど、そんなことばかり言ってもいられないのだ。
「何や暗い顔して」
「･･･監督、」
「どした」
優しい声色がお父さんみたいに聞こえた。懐かしいのと嬉しいのと悔しいのと不甲斐ないのと、様々な感情が込み上げてくる。私だって好きでヘタクソになってるわけじゃないんです。なんて何の脈絡もない言葉を発してしまっても、余計に監督を困らせてしまうだけなのに。
涙をためる私に監督は「一旦休みや」と椅子を持って来て隣に座らせてくれた。
「何かあったんか」
「球出しが、上手くできなくて」
「Aはまだマネやってふた月も経ってないやんか。当然やろ」
「いくら練習しても上達しないんです」
だから根気強くコツを教えてくれる人にも、助言をくれる人にも、私の球出しに当たってしまう人にも申し訳なくなっちゃって。言いながらもたまった涙は少しずつ頬を流れ始めていた。
ちょっと外出るか、と監督はコーチにバトンタッチをして一緒に外へ出てくれた。一番体育館の中にいなければいけない人なのに、と更に申し訳なさが重なる。
「すみません、今、涙止めるので」
「泣け泣け。今泣かんでいつ泣くんや」
むしろ弱音吐かんとようここまで来たなあと褒められてしまった。また嬉しさで涙がたまる。
久々に、本当に久々に泣いた。前に侑くんにキレられたとき以来だ。
***
「はよ行けやツム」
「うっさいわ！今から行くねん黙っとれ！」
外に出て10分後くらいに泣き止み、監督に何度もお礼を言いながらモップ掛けに戻った。
上記は部活が全て終了したあとの会話である。
合宿所へ移動する前に持ち物を確認していると、何やら私の数メートル向こうでそんな会話が聞こえた。もしかしなくとも侑くんの謝罪が飛び出すであろう流れだ。気を利かせてスルーをしておくが、侑くんは別に悪いことをしていないのにな。なんて思ってしまう。
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シノメ(プロフ) - るぴあさん» ようやくボールペンを持ちました〜！！感想ありがとうございます！！続々編も是非楽しんで頂ければなあ、と思っておりますので〜！！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: 56e895e066 (このIDを非表示/違反報告)
るぴあ(プロフ) - もう、むちゃくちゃおもろいです。ボールペンを持たれるのを待ってます！！！！ (2019年10月10日 17時) (レス) id: d73982be8d (このIDを非表示/違反報告)
シノメ(プロフ) - 來さん» 待っててくださってありがとうございます！なかなか甘々な展開に持って行けてないのですが、これからちょこちょこ増やしていけたら良いなと思っております！わあ嬉しい...！身体の心配までしてくださってありがとうございました！これからも頑張ります！ (2019年9月29日 17時) (レス) id: 56e895e066 (このIDを非表示/違反報告)
來(プロフ) - 待ってました！お疲れ様です！相変わらず青春してるなー、と微笑ましく見ております。更新も早くて侑くん達と同じように作者様を応援する毎日です。体調に気をつけて頑張ってください！素敵な作品をありがとうございます！ (2019年9月28日 19時) (レス) id: 5f382bf3f2 (このIDを非表示/違反報告)
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