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目に見えてイラつきだした侑くんを治くんに預けて、私は彼女の前へ、また一歩踏み出した。それに合わせるように、彼女は一歩退いた。
「私ね、あなたのこと知ってる」
「･･･何でですか」
「何回か図書室で見掛けたことがあるの」
見覚えがあったのは、私が彼女に目を惹かれたことがあったからだ。
いっつも、バレーボールの本を抱えてた。
借りようと思った本を持っていた子だったから、なんとなく覚えていたのかもしれない。
「ごめんなさい。マネ募集する確証はないんだ」
「じゃあ、どうして────────」
どうして待ってもらっても良いかな、なんて言うんですか。
期待してしまうようなことは言わないで。彼女の瞳は明らかにそう訴えていた。
ああそうか。何で私はあんなふうに言ったのだろう。
言った瞬間は無意識だったのかもしれないけれど、多分。
「･･･2年後3年後のことを、考えてたからかも」
だって、私もいつかは卒業する。
留年しなければの話でも、順当に行けば来年の今頃は大学受験の勉強を頑張っているころだ。
彼女の発言を聞いた時、私のあとは誰がやってくれるのだろう、なんて烏滸がましくも勝手に脳が働いてしまったのかもしれない。
「だから、もう少し待ってて欲しい」
「募集する証拠もないのに、待てるわけないでしょ」
ぴたりと、視線がリンクした。
強気な瞳が私を突き刺す。
ああこの子なら、と怯んでしまいそうだ。
なるほどそれならば。
「私が証拠になる」
「はあ？先輩が、ですか？どうやって？」
「来年、監督に頼むよ。マネ募集しませんかって」
「断られたら？」
「断らせない。絶対に」
その言葉に彼女は大きく目を見開く。
後ろで角名くんの「言い切ったよあいつ」なんて溜息混じりの�� 独り言 �瓩�聞こえた。
「信じられません、そんなの」
「信じてくれなくても良いよ。でも、」
私は嘘吐かないから。
私が初めて北さんに向き合った時みたいに、私は彼女を真っ直ぐ見据えた。
この強い瞳はきっと、頼れるものになる。
始まりは憧れでも好奇心でも何でも良いのだ。
なんとなく、彼女はただ騒いでいるだけの宮兄弟ファンではない気がした。
「･･･っ、」
すると、何も言わずに走り去って行ってしまった。
少し怖がらせてしまったかと後悔する。
くるり後ろを振り返れば、あの4人が笑いを堪えていた。
思い切り、顔を引き攣らせて。
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シノメ(プロフ) - るぴあさん» ようやくボールペンを持ちました〜！！感想ありがとうございます！！続々編も是非楽しんで頂ければなあ、と思っておりますので〜！！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: 56e895e066 (このIDを非表示/違反報告)
るぴあ(プロフ) - もう、むちゃくちゃおもろいです。ボールペンを持たれるのを待ってます！！！！ (2019年10月10日 17時) (レス) id: d73982be8d (このIDを非表示/違反報告)
シノメ(プロフ) - 來さん» 待っててくださってありがとうございます！なかなか甘々な展開に持って行けてないのですが、これからちょこちょこ増やしていけたら良いなと思っております！わあ嬉しい...！身体の心配までしてくださってありがとうございました！これからも頑張ります！ (2019年9月29日 17時) (レス) id: 56e895e066 (このIDを非表示/違反報告)
來(プロフ) - 待ってました！お疲れ様です！相変わらず青春してるなー、と微笑ましく見ております。更新も早くて侑くん達と同じように作者様を応援する毎日です。体調に気をつけて頑張ってください！素敵な作品をありがとうございます！ (2019年9月28日 19時) (レス) id: 5f382bf3f2 (このIDを非表示/違反報告)
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