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∞月◎日◆曜日。晴れ。
合宿最終日。それは買い出しの途中だった。
前々から心配していたことが現実になってしまったのだ。
『私、いつか刺されるかもしれないよ』
なんて冗談混じりに言っていた自分だったが、まさか本当にそんなことが起こるとは夢にも思わなかった。
自分の腹部に刺さる銀色。鈍い痛み。
じわりじわりと赤いそれが体育着を侵食──────────していかない。
「やいおまえ！おれのかあちゃんかえせ！」
「･･･え？」
血が出てこない。それもそのはずである。
私の腹に突き刺さっているのはおもちゃの剣。
犯人は小さな短髪の男の子。
「キミ、だあれ？」
***
「あのなあA、ここは迷子センターとちゃうねんぞ」
「すみません･･･放っておけなくて･･･」
「まあ交番に行ったのはええ判断やったな」
結局あのあと監督に連絡を入れ、交番へ男の子を連れて行った。ところが困ったことに男の子は私と離れるのを嫌がってしまい、大泣きし始めたのだ。
あたふたするお巡りさんに「近くの体育館にいるので、お母様から連絡が来たら教えていただくというのはどうでしょう」なんてついつい提案してしまった。自分でもかなり考え無しだったなと後悔している。
先刻私へ短剣を突き刺した勇気はどこへやら、男の子は心細いようで私の手をぎゅっと握って下を向いていた。監督も鬼ではない。そんな男の子の様子を見て情が移ってしまったらしい。
「･･･責任持って面倒見るなら、置いといてもええで」
「あ、ありがとうございます！」
男の子に事情を話し、今日一日良い子にしているということを約束した。
おもちゃの剣を握りしめながら一生懸命頷く姿がとても可愛らしい。
「ボク、何歳だっけ。お名前も、もう一回教えてくれる？」
「･･･きよと。ごさい」
「そっか、きよとくんか。私はA。よろしくね」
「うん」
こうして、合宿最終日にして預かり保育(仮)は始まったわけなのである。そんなに小さな子を扱った記憶が無いので少々心配ではあるが、責任を持つと言ってしまったからにはやるしかない。
「それじゃあきよとくん、私ちょっとお仕事あるから椅子に座って待っててね」
「なんで？」
「え」
「おれもついていっちゃだめなん？」
彼は彼でお母さんと離れてしまった不安があるのだろう。そりゃ誰かにくっついていたいに決まっている。早速最初の壁にぶちあたってしまったようだ。
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シノメ(プロフ) - るぴあさん» ようやくボールペンを持ちました〜！！感想ありがとうございます！！続々編も是非楽しんで頂ければなあ、と思っておりますので〜！！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: 56e895e066 (このIDを非表示/違反報告)
るぴあ(プロフ) - もう、むちゃくちゃおもろいです。ボールペンを持たれるのを待ってます！！！！ (2019年10月10日 17時) (レス) id: d73982be8d (このIDを非表示/違反報告)
シノメ(プロフ) - 來さん» 待っててくださってありがとうございます！なかなか甘々な展開に持って行けてないのですが、これからちょこちょこ増やしていけたら良いなと思っております！わあ嬉しい...！身体の心配までしてくださってありがとうございました！これからも頑張ります！ (2019年9月29日 17時) (レス) id: 56e895e066 (このIDを非表示/違反報告)
來(プロフ) - 待ってました！お疲れ様です！相変わらず青春してるなー、と微笑ましく見ております。更新も早くて侑くん達と同じように作者様を応援する毎日です。体調に気をつけて頑張ってください！素敵な作品をありがとうございます！ (2019年9月28日 19時) (レス) id: 5f382bf3f2 (このIDを非表示/違反報告)
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