１６ページ目 - �� ページ11
____..
あん時はびっくりしたよなあと侑くん。
すぐに思い直したけどなあと治くん。
そんなことあるんかあ、なんて周りの皆は半分怖い、半分感心みたいな聞きっぷりだったけど。
私は今まで聞いてきた話の中で一番怖いと思ってしまった。
「･･･あ、あのさ」
「ん？」
「それって、二人同時に思ってたってこと？」
シンパシーだの何だのという話にも関係するのではないか。
どうだったんかな、と考えこむ二人。
たしかに気になるわ！なんていついかなるときでも元気に明るい赤木先輩。
「まあでもサムも俺も思っとったってことは、そうなんやろな」
「一瞬お互いに顔見合せて『うん？』ってなったもんな」
「そのあとに『いやいやいやいや』ってなってん。幼心に」
もちろん今考えたらありえへんことやけど。と治くんが話を締める。「以上、双子からでしたあ」と二人は頭を下げた。
***
双子の次は北さんの話だった。
「─────いや、怖いわ！何やねん！」
「ほうか？」
「『ばあちゃんから聞いた話なんやけど』の導入部分からもう無理やった！」
家の近くの古井戸の話。とある伝説があるらしく、今でも井戸の底から声が聞こえるとか何とか。
そんな北さんの話も怖かったけど、やっぱり先刻の双子の話の方が怖かった気がする。だって現在進行形で続いてるかもしれない恐怖なんだもん。
「侑くん、」
「ん？どしたん」
「侑くんだよね？」
「おん。･･･あ、もしかして不安になったんやろ」
「うん」
大丈夫大丈夫〜なんてにこにこする侑くん。そんな笑みさえちょっぴり怖く思えてしまって。何や心配してくれとんのか、と治くんもキョトンとした顔をしている。
ちっさい頃の話やで、と二人は笑った。
「ちょっと手貸して」
持ってきていた筆箱にマジックペンがあった。
きゅぽんとキャップを取ると、双子は何かを察したように溜息を吐く。
「心配症やなあ」
「風呂入ってきたのにな」
そう言いながらもほい、と手を出してくれるから優しい。「あつむ」と「おさむ」それぞれの手に名前を書いてやった。
これで忘れないでしょ、と。
「こんなでっかく書かれたら忘れたくとも忘れられへん」
「しかも油性やんか。抜かりないな」
これを機会に改めてここで復習しようと思う。
侑くんの特徴を。
侑くんは
・金髪
・治くんよりほんの少し小さめ
・髪の分け目が左
____..
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 573人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シノメ(プロフ) - るぴあさん» ようやくボールペンを持ちました〜！！感想ありがとうございます！！続々編も是非楽しんで頂ければなあ、と思っておりますので〜！！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: 56e895e066 (このIDを非表示/違反報告)
るぴあ(プロフ) - もう、むちゃくちゃおもろいです。ボールペンを持たれるのを待ってます！！！！ (2019年10月10日 17時) (レス) id: d73982be8d (このIDを非表示/違反報告)
シノメ(プロフ) - 來さん» 待っててくださってありがとうございます！なかなか甘々な展開に持って行けてないのですが、これからちょこちょこ増やしていけたら良いなと思っております！わあ嬉しい...！身体の心配までしてくださってありがとうございました！これからも頑張ります！ (2019年9月29日 17時) (レス) id: 56e895e066 (このIDを非表示/違反報告)
來(プロフ) - 待ってました！お疲れ様です！相変わらず青春してるなー、と微笑ましく見ております。更新も早くて侑くん達と同じように作者様を応援する毎日です。体調に気をつけて頑張ってください！素敵な作品をありがとうございます！ (2019年9月28日 19時) (レス) id: 5f382bf3f2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
