１４ページ目 - �� ページ1
____..
+月+日+曜日。晴れ。
私がマネージャーを始めてから数週間が経った。
一年生の子達が根気強く優しく細かく教えてくれたおかげで、マネージャー業にもかなり慣れてきた頃である。
いつものように選手陣を外周へ追い出して、ギャラリー席のカーテンと窓を開けて、扇風機をまわして、ボールの気圧を確認していた時だった。
「A、ちょっとええか」
「はい！」
監督からお呼び出しがかかった。
何事だろうと半分駆け足で監督の元へと走って行くと、急ぎやないから転ぶなと笑い声混じりの忠告をされた。
「マネージャー業にはだいぶ慣れたやろ」
「はい！まだ間違ってばかりですけど･･･」
謙虚やな、なんて監督が腕を組む。それで話って何ですかと話の先を促すと、監督は思い出したように机の上に置いてあったファイルから一枚の紙を出し、私の前に掲げた。
「･･･インターハイ？」
「せや。うちはもう予選は勝ち抜いてんねん」
「あ、全国大会的なやつですか」
インターハイと春高ってあるんやけどな。と監督はバレーの大会の流れを大まかに説明してくれた。
そもそもの話、予選中はマネージャー業もバタバタするらしく、予選が終わって少し落ち着いたついこの前に私をスカウトしてくれたそうだ。
インターハイは九州、春高は東京でやるとのこと。
で、今回はインターハイなので九州まで行くことになると。
平日も含む日程になるらしいので、念の為問題ないか聞いておきたかったそうだ。女子は色々準備とかもあるんやろ、と気を遣って頂けているようである。
「大丈夫です、ついて行きます」
「そか。あともうひとつあんのやけど」
「はい」
「合宿も女子ひとりで大丈夫か？」
スタメンとベンチ入りしてるメンバー何人かやから人数はそれほど多くないんやけど、と監督は続けた。
合宿。一度もまだ経験のない私からしたらとても青春らしい響きだ。
女子ひとりだとしても別に今のところは不自由ないし、むしろ楽しくやらせていただいてるし。
「大丈夫です、行かせてください」
「おう、わかった。おおきに」
というわけで合宿参加が決まった。
お金のことは特に聞かれなかったし、ここは強豪だからスタメンとベンチ入りメンバー数人、マネージャーで合宿するくらいのお金はあると見た。
「合宿って、何するんだろう」
大きな期待と少しの不安を抱いて、私はまたボールの空気圧を確認するのだった。
____..
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 573人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シノメ(プロフ) - るぴあさん» ようやくボールペンを持ちました〜！！感想ありがとうございます！！続々編も是非楽しんで頂ければなあ、と思っておりますので〜！！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: 56e895e066 (このIDを非表示/違反報告)
るぴあ(プロフ) - もう、むちゃくちゃおもろいです。ボールペンを持たれるのを待ってます！！！！ (2019年10月10日 17時) (レス) id: d73982be8d (このIDを非表示/違反報告)
シノメ(プロフ) - 來さん» 待っててくださってありがとうございます！なかなか甘々な展開に持って行けてないのですが、これからちょこちょこ増やしていけたら良いなと思っております！わあ嬉しい...！身体の心配までしてくださってありがとうございました！これからも頑張ります！ (2019年9月29日 17時) (レス) id: 56e895e066 (このIDを非表示/違反報告)
來(プロフ) - 待ってました！お疲れ様です！相変わらず青春してるなー、と微笑ましく見ております。更新も早くて侑くん達と同じように作者様を応援する毎日です。体調に気をつけて頑張ってください！素敵な作品をありがとうございます！ (2019年9月28日 19時) (レス) id: 5f382bf3f2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
