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「アメリカーノ。アイスで。」
この人はいつも同じ。
お昼時を過ぎた頃やって来て、アメリカーノを頼む。
今日は少し気温が高いからか、アイスだった。
" ご注文どうぞ。" " アメリカーノ。 "
" お待たせ致しました。"
会話はこれだけなのに、自分がこの人の顔を覚えていることをなんだか不思議に思った。
『お先に失礼します。』
もう春なのに、日が落ちてしまうと肌を撫でる風は冷たい。
「よお。」
店を出て、あと5分ほどで来るはずのバスを待っていると、頭の上から降ってきた聞き覚えのある声。
「飯食わねえ?」
他に人がいるのかと辺りを見廻してみても、誰もいない。
『私に、言ってます?』
「はは。俺は幽霊とか見えないけど?
あんたしか居ないんだから、あんたに言ってん
だろ?」
可笑しいのはわたしなんだろうか?
歯茎を出して笑ったその人。
なぜか、胸が痛くなった。
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sayu_(プロフ) - 22.2.22 次のページへの送りボタンの表示がおかしくなっていため修正させていただきました。 (2022年2月22日 18時) (レス) @page1 id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
sayu_(プロフ) - 読んでくれた方。お気に入り、評価してくれた方。ありがとうございます! (2021年4月17日 5時) (レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sayu_ | 作成日時:2021年4月16日 21時