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「ジョングク、おかえり。」
父さんからジョングクが病院に向かったと電話があった。
きっと母さんと二人きりの方がいいだろうと病院近くのカフェへ向かい時間を潰すことにした。
でもやっぱりそわそわ落ち着かなくて、様子を見に母さんの病室へ戻って来てしまった。
病室の外からは声が聞こえてこなくて、もしかしたらもうジョングクは帰ってしまったのかと、不安に駆られながらドアを開けた。
そこにはちゃんとジョングクがいてくれて、眠っている母さんの手を握っている姿に込み上げてくるものがあったけれど、
「ヒョン... どうしてこんな... 」
振り返ったジョングクのその悲痛な顔を見て、
僕は必死に堪えた。
僕や父さんは、母さんが少しずつ痩せていくのを見ていたけれど、ジョングクにとっては突然のことで、痩せ細ったその姿は相当ショックだったんだろう。
「手術したら良くなるんだって。
ただ手術に耐えられる体力が必要だって。
大丈夫だよ。
ジョングクの顔見たからきっとすぐ回復する
よ。」
家族の元を離れて、どんな苦労があっただろう。
誰にも弱音も吐かず、どれだけのことに耐えてきたんだろう。
なんの抵抗もしないで素直に抱かれるなんて...
やっぱり、
僕はお兄ちゃんで、
ジョングクは " 弟 " なんだな。
．
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作者名：sayu_ | 作成日時：2021年10月12日 3時
