誠実 ページ5
なんで、、
涙が出そうになるのを必死に抑える
壱馬は私の頭を優しく撫でた
懐かしいこの温かい手。
我慢できずに涙が溢れた。
「怖かったんか?」
「ううん、、違う、嬉しくて、、」
「俺も。ずっと会いたかった」
目元しか見えなくても壱馬が優しい顔で微笑んでいるのは分かった。
「家まで送る」
「う、うん、ありがとう、、」
隣に壱馬がいるのに、壱馬じゃないみたいで私は動揺を隠せなかった
「壱馬、変わったね」
「そうか?まあ、色々意識するようになったからな(笑)」
歩きながら今までのことを話す。
壱馬と連絡が取れなくなってから高校を卒業して、大学もそこそこの所に行って、今は社会人になって、一人暮らしもしてる。
こんな普通の人生を送ってる私とは違って、
壱馬はtherampageとしてアーティストとして輝いていた。
ドラマや、映画、ライブ、雑誌、写真集まで、、。
私が見てなかっただけで、壱馬はもう街中をマスクや帽子なしでは歩けないくらいの人になっていた。
「連絡先、携帯変えたらなくなってもうてん、教えてくれへん?」
連絡してくれなかったんじゃなくて、そういうことだったんだ、、
やっぱり壱馬は誠実で、嘘なんかつく人じゃなかった。
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作者名:さゆ | 作成日時:2022年4月18日 17時