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スニョンとコンビニで会わなくなって、もう2ヶ月。
気づけば、カフェの制服は夏服に替わり、セミが鳴く季節になっていた。
あれから、代打としてバイトに入っていたウォヌくんも夏休みを前に辞めてしまい
そのウォヌくんから、スニョンは就活と学校で忙しく、バイトをお休みしていると聞いた。
最初の頃こそ、なんで私に直接言ってくれないんだとか
そんなに頼りないのかとか、もう関係ないってことかとか…
いろんな(主に怒りの)気持ちが渦巻いていて。
もちろんその中には、寂しい気持ちもあったけれど…
仕事の忙しさとか、ミンソクとの時間とか、とにかく日々を重ねるうちに
いつの間にか、スニョンのいない日常が、当たり前になっていた。
ミンソクとの付き合いは順調そのもので、互いの家を行き来しては、コーヒーの話、いつかカフェを持ちたいという話、発展的な話に、胸は躍った。
30歳からでも、叶えたい夢は持ち続けていようって、思えた。
一年前の自分は、店を持つ夢なんて、諦めかけていたけれど。
束の間の休日は、ミンソクが前日から泊まりに来て、モーニングコーヒーを淹れてくれるのがすっかり習慣づいていた。
「やっぱ全然違う。ミンソクが淹れたらなんでこんなに美味しいんだろう」
「愛情でしょ」
「そういうことじゃなくてさ…ちゃんと教えてくださいよ、先輩」
「先輩じゃないし」
太陽の光を浴びて、ダイニングで朝食をともにする。
朝はパン派のミンソクに合わせて、メニューはトーストとベーコンエッグになった。
少しずつ変わっていくことも、いつか日常になるんだな。
「あ、そういえばさ」
「ん?」
トーストにピーナッツバターを塗りながら、彼が口を開いた。
「A、前にハムスター飼ってるって言ってなかったっけ?」
「あ…っと。
あの…逃げちゃった」
「え…いなくなってたの?」
「うん…外の世界が良かったのかなー」
「大丈夫?」
「え、全然平気。ちゃんと元気に生きててくれたら、いいかな」
「そうだな…なんか、ごめんな」
「ううん。もう、私も忘れかけてたし」
逃げちゃった。って、何言ってるんだろ。
自分が、追い出しちゃったのに。
そんなハム太郎がいた、我が家の日常が、なんだか、恋しくなってしまった。
だけどそれを望めば、ミンソクとの今は叶わない。
難しいな。
本当のハムちゃんなら、なんの問題もなく一緒にいられるのに。
このときは、本気でそう思っていた。
まさかその直後、再会の日が訪れようとは…
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nayuta(プロフ) - ハフィントンポストさん» ハフィントンポストさん、コメントありがとうございます!お返事遅れてしまい、すみません!!ありがたいです!可愛いスニョン、また続編ものぞいていただけたら嬉しいです。 (2019年5月11日 6時) (レス) id: 812cdb4791 (このIDを非表示/違反報告)
ハフィントンポスト(プロフ) - なんか、読み始めたら段々と吸い込まれて全部読んじゃいました、すにょん可愛いですね!ww! (2019年1月25日 22時) (レス) id: b852baaf97 (このIDを非表示/違反報告)
nayuta(プロフ) - にとまる。さん» にとさんーー!わたくしもおぬよん好きなので、ついつい登場させちゃいます。おぬよんにときめいてくださるなんて、うれしいですー! (2018年9月1日 1時) (レス) id: 812cdb4791 (このIDを非表示/違反報告)
にとまる。 - nayutaさん» すにょんんん(( でもにとてきにはたまにでてくるおぬよんにときめきます。好き。 (2018年8月29日 22時) (レス) id: 307b4f2a6a (このIDを非表示/違反報告)
nayuta(プロフ) - にとまる。さん» にとまるさん、ありがとうございます!どちらに傾くのか、、、更新頑張ります! (2018年8月22日 12時) (レス) id: 71317fae55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nayuta | 作成日時:2018年7月18日 14時