【d!】さよなら、ミッドナイトブルー【ut】【完結】 (ページ2)

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2週間後。

私は先日受けた検査の結果を聞きに、再び大学病院へとやって来た。
検査の結果が気になって仕方がなかった私は、この2週間ほとんど眠れない夜を過ごした。

大学病院はいつも混んでいて、予約を取っていたとしてもかなりの時間を待つことが多い。

しばらく椅子に座ってスマートフォンの画面を眺めながら自分の名前が呼ばれるのを待っていると、呼び込みをしている看護師さんに「宮本Aさまー！」とようやく自分の名前を呼ばれ診察室に入った。

私が診察室に入ると、前回受診した時よりもより険しい表情をした先生が私を待っていた。

「宮本Aさん、今日は検査の結果ですね」

「検査の結果、どうでしたか？」

私が先生にそう尋ねると「悪性リンパ腫ですね」と先生の口から淡々と告げられ、先生から前回受けたリンパ節の生検をした検査の結果の紙が差し出された。

先生が言うには病状が思っていた以上にかなり進行が進んでいて、放射線や外科的手術は難しく治療は抗がん剤を使った化学療法しか出来ないと。

結論から言うと、今日からすぐに入院をして欲しいと先生から告げられた。

悪性リンパ腫？放射線と手術出来ない？抗がん剤？化学療法？今日からすぐに入院？

ただでさえ癌だと言う事に私は動揺をしているというのに、診察を待っている沢山の患者さんを抱えている先生は待ってはくれず次々へと話を進めていく。
私は先生の話している言葉が全く聞いた事の無い、意味の分からない呪文にしか聞こえなかった。

私は家に帰ることも無く入院になってしまい、とりあえず遠方に住んでいる実家の両親に「入院する事になった」と連絡を入れておいた。

そして問題は地元を離れて一人暮らしをしているため、荷物を家から持って来てくれる家族が居ないのだ。

こういう時に頼れるのは、私には鬱くんしかいない。

鬱くんに『急遽今日から入院になったから、入院に必要な荷物を持って来て欲しい』と必要な物のリストを添付してトークで送った。

鬱くんには、私の詳しい病状は伏せておいた。