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入院7日目。
今日もまた抗がん剤の点滴がやってきた。
初めて抗がん剤の点滴をして貰った時の、副作用の吐き気でトイレに何度も駆け込んだ事を思い出すだけで嫌になる。
だけれども文句を言っている場合では無いので、今日も看護師さんに点滴針を刺してもらった。
点滴の間、ベッドで横になっていると鬱くんが荷物を届けに来てくれた。
「Aちゃん、荷物持って来たで」
「鬱くん、来てくれてありがとう。そこに持って帰ってもらう荷物纏めてあるから、それ持って帰って」
ut「ん、了解。今日は点滴しとるんや、何の点滴なん？」
「抗生剤だよ。血液検査で炎症反応があったんだってさ」
抗生剤だなんて全くの嘘なのだけれども。
私が今点滴をされている薬品のラベルを見て、鬱くんにネットで調べられたら一発でアウトだ。
そもそも周りから詐欺師の異名を持つと言われている鬱くんを騙せてるのだろうか。
………大丈夫だよね？
「ふぅん」と言って、鬱くんはひとまず納得してくれたので、私はひとまず安堵した。
「聞いてよ、鬱くん。入院中の人でね、仲良くなった人がいるんだ」
ut「そっかぁ、それは良かったな。Aちゃん、あんま来れんくてごめんなぁ。今、動画に出とるメンバーが1人入院しとって忙しいんや」
「全然！来てくれるだけで嬉しいよ！」
鬱くんは私に一言謝ると、そそくさと病室を出て行ってしまった。鬱くんの様子からすると、本当に忙しいんだろうな。
もう少し話したかったのにな。
いい大人が我儘言ってられない、私はただ抗がん剤の苦しみから耐えるしかなかった。
点滴が終わると看護師さんが「夜、気持ち悪くなったらナースコール押してくださいね。吐き気止めの点滴するので」と言ってくれた。
それは初回の点滴の時に教えておいて欲しかった。
夜になるとやっぱり前回と同様に気持ち悪くなり、私は何度もトイレに駆け込んだ。
トイレから出ると、ナースコールを押して看護師さんに吐き気止めの点滴をしてもらった。
しばらくすると吐き気止めの点滴のお陰で吐き気は落ち着き、私はようやく眠りについた。
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