ル ページ12
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入院190日目。
いよいよついにベッドから動けなくなってしまった。
寝たきりの身体にあちこち管で繋がれて、身体も痛いし気持ち悪い。
ご飯も自力で食べられなくなってしまい、今では鼻からチューブを通して栄養剤を送っている。
そして今日は先生から告げられていた、余命のタイムリミットだ。
ut「Aちゃん、来たで」
「鬱くん…ありがとう…」
鬱くんが病室にお見舞いに来てくれた。
ut「そろそろ何の病気か僕に教えてくれへん？日に日に弱っていってるAちゃんを見てると僕、辛いんや」
もうここまで来てしまったら、鬱くんには隠せないな。
「実はさ、末期ガンなんだ…私…」
私がそう言うと鬱くんは悲しそうな表情をした。
ut「もっとはよ言ってくれれば良かったのに…！」
「ごめん、ずっと隠してて。鬱くんには…心配掛けたく…なかったんだ」
ut「Aちゃん、僕ってそんなに頼りない…？」
「そんな…事ないよ…！…私が頼れるのは…鬱くんだけだよ…」
そして鬱くんは顔を伏せてしまった。
「私ね…余命のタイムリミットが…今日なんだ…」
そう言うと、鬱くんが勢いよく顔を上げた。
鬱くんの顔はもう涙でぐちゃぐちゃだった。
私もつられて泣いてしまいそうだ。
ut「え、嘘やろ…？」
「ほんと…だよ」
こんな事になるのなら最初から鬱くんには伝えておけば良かったのかなと、私は後悔をする。
でも鬱くんに病気のことを打ち明けたら、なんだか胸のつっかえが少し取れて心が少し軽くなったような気がする。
ut「まだ諦めたらあかん、僕はAちゃんに言いたい事があるねん！」
「わたし…うつくんが…幼馴染でよかった…」
ut「Aちゃん！！！！！」
鬱くんに身体を揺すられるけれど、もう眠くて眠くて仕方がない。もうそろそろ寝かせて欲しいよ、鬱くん…。
「女遊びは…ほどほどにしてね…。バイバイ…うつ…く…ん…」
……ところで、鬱くんが私に言いたかった事って何だったのだろうか…？
ここで、私の世界は暗転した。
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