少女と幽霊達の膝栗毛 20 ページ21
可哀想な少女だ。そう思いながら遺体安置所から遺体を運ぶ職員。これから死因判明の解剖をするのだ。手術台に乗せられ、医師がメスを手に取ろうとした時、少女のまぶたが開かれる。
メディコ「...ん、あれ...」
メディコが突然生き返ると共に、足から胸元まで巻きつく蛇の刺青が身体に刻まれた。それが医師達を驚かせたのだった。
メディコ「私、生き返るの?」
メディコは目を見開く。
オットー「ああ、だが悪戯に蘇生した報いを受けてもらう。我ら裁判官の決定裁定だ」
大きな手がメディコの頭に触れた。すると、足元に魔方陣が生じて蛇に似た文字の羅列が所々現れるや否や、メディコの華奢な身体にまとわりつく。その間に裁判官は言い続ける。
オットー「代償として寿命を半分頂き、虚弱体質に変える。下手に動き回って無闇に魔法を使わせる訳にはいかないからな。そして、これは大事な約束事だ。科せられる罪滅ぼしとして、1年の半分を冥界の渡し守として働いてもらう」
痛みは無かった。ただ、身体から力が抜けていくのが分かる。これで外に駆け回る事はほとんどなくなるのだなと悟った。それでもメディコの心に不安や絶望などは感じなかった。すると
メディコ「...?あ、ああ...!」
電撃に似た痛みが不意に走った。あの時魔法を使おうとして弾かれたのと同じだ。思わずうずくまる少女に胸が痛むも心を鬼にする。
オットー「今から刺青を刻みつける。次に大量の死者を蘇生させた時、問答無用で死なせる鎖とする。生きたければ行使するな」
魔方陣が消えたが、メディコは立たなかった。子供に残酷な裁きを下すのは良心が痛む。だが、無垢故に起こる罪を防ぐには正しい罰だ。
オットー「メディコ」
先程の冷徹な声音が普通の青年の声調に変わったのを、メディコは顔を上げた。強面なのは変わらないが、そこには陽気ながらも悲哀を帯びた裁判官の表情があった。
メディコ「オットー...」
本来の彼なのだと思った。どこにでもいる、明るくて優しい青年なのだと。
オットー「ちゃんと生きてほしい。罪を償えば、元に戻る。本当だ。2度としないって、約束出来るか?」
オットーの約束に、メディコは笑顔で頷いた。
メディコ「私、生きてみる」
その言葉を聞き届けると、裁判官は呪文を唱えた。視界が白く染まり、目を覚ますと手術室だった。
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ルツ・ヒューイット(プロフ) - ぼうきれ/新藤緋色さん» 最後までお読み下さり、ありがとうございます(^^)オムライスの質問、こちらもご返答ありがとうございます＾＾ (2021年6月27日 18時) (
レス) id: d8efa9f421 (このIDを非表示/違反報告)
ぼうきれ/新藤緋色(プロフ) - 面白かったです！ ちなみにオムライスは後者が好きです (2021年6月27日 18時) (レス) id: 9dfed805b5 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ・ヒューイット(プロフ) - 久し振りのドレミファソラル様とのコラボ話、連載スタートです!推敲しながら進めるので、やや更新頻度が遅くなるかもしれませんのでご了承下さい(土下座)。ドレミファソラル様のオリキャラ、スペンサー・ホームズ君と私のオリキャラ、シシィ出演のほのぼの短編です。 (2021年6月14日 8時) (レス) id: d8efa9f421 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ・ヒューイット(プロフ) - ぼうきれ/新藤緋色さん» ありがとうございます！^ ^嬉しいです (2021年6月6日 6時) (レス) id: d8efa9f421 (このIDを非表示/違反報告)
ぼうきれ/新藤緋色(プロフ) - 面白かったです！ 四神ってやっぱかっこいいですね……ルツ様の発想力がとても羨ましく、また憧れます！ (2021年6月6日 6時) (レス) id: 873895aabe (このIDを非表示/違反報告)
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