少女と幽霊達の膝栗毛 1 ページ2
メディコ・レアニマシオンが冥界に連行されて早2日。
メディコ「ねぇ、ここに来て分かった事があるの。幽霊になると、お腹は空かないし、のどは乾かないんだね」
そう無邪気に言うと、少女を取り囲む死神と渡し守らはキッと睨んだ。
「我々の仕事を奪っておきながら、よく呑気でいられるもんだな」
「あれだけボコボコにしたのに、全然懲りてねぇ」
「もう一丁、袋叩きにするか」
この10歳の少女は蘇生の魔法を生まれつき持っていて、ある時町全体の死者を蘇らさせてしまった事で彼等の怒りを買い、殴り蹴られの報復で殺された。だが、メディコはそんな事など忘れたかのように振る舞っている。それがとても不愉快だ。そして少女の存在は既に冥界に知れ渡っていた。
「裁判官様達がこいつの扱いをどうするか会議中だ。下手にやったらクビが飛ぶぞ。手は出さない方がいい」
メディコ「え?死んでいるのに首が飛んじゃうの?」
「突っ込むなクソガキ。全く、こいつといると頭がおかしくなる。おい、そこの説教教師」
そう呼ばれた幽霊は、渡し守に無理矢理連れて来られる。
「おい、どうするつもりだ」
「俺達しばらく休みたい。それまでこのクソガキをしばらく面倒みろ。俺達の仕事を奪ったんだからな。得意な説教でもして、大人しくさせろよな」
「そういう事だ、じゃ後はよろしく。俺達はこいつ殺した祝杯挙げに行くわ」
男の亡霊は慌てて呼び止めるも、彼等は行ってしまった。
「待て、聞いてないぞ!」
男は深い溜息を吐き、蘇生の魔法を持つ少女を見下ろした。何を言おうか迷っていると
「私、すごく暇だったんだ。おじさん、来てくれてありがとう!これであの世がどんな所か分かるんだもの!じゃあ、遊びに行ってくる!」
あどけない声を上げて、少女は笑いながら駆け出して行った。
「おい待て!ああ...妻の中に長く居すぎた所為だ。たった3年で、この世界の事などまだ良く分からない...」
また深い溜息を吐くと、死神達の約束を義理でも果たすべく少女の跡を探し始めた。
こうしてメディコは、裁判官オットーが管理する幽霊達のコミュニティで、色々な幽霊達と出会う事になる。
メディコ「ああ、養護施設の退屈な毎日なんて忘れよう!何しようかなぁ」
彼女がスキップしていると早速出会った。
メディコ「ん?貴女は誰なの?」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルツ・ヒューイット(プロフ) - ぼうきれ/新藤緋色さん» 最後までお読み下さり、ありがとうございます(^^)オムライスの質問、こちらもご返答ありがとうございます＾＾ (2021年6月27日 18時) (
レス) id: d8efa9f421 (このIDを非表示/違反報告)
ぼうきれ/新藤緋色(プロフ) - 面白かったです！ ちなみにオムライスは後者が好きです (2021年6月27日 18時) (レス) id: 9dfed805b5 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ・ヒューイット(プロフ) - 久し振りのドレミファソラル様とのコラボ話、連載スタートです!推敲しながら進めるので、やや更新頻度が遅くなるかもしれませんのでご了承下さい(土下座)。ドレミファソラル様のオリキャラ、スペンサー・ホームズ君と私のオリキャラ、シシィ出演のほのぼの短編です。 (2021年6月14日 8時) (レス) id: d8efa9f421 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ・ヒューイット(プロフ) - ぼうきれ/新藤緋色さん» ありがとうございます！^ ^嬉しいです (2021年6月6日 6時) (レス) id: d8efa9f421 (このIDを非表示/違反報告)
ぼうきれ/新藤緋色(プロフ) - 面白かったです！ 四神ってやっぱかっこいいですね……ルツ様の発想力がとても羨ましく、また憧れます！ (2021年6月6日 6時) (レス) id: 873895aabe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
