犯罪予備軍検査 2 ページ7
仕事終わりの帰り道、ビラが無機質な道に落ちていた。ミストレスはそれを拾い上げた。
『新たな新政策、【非行青少年撲滅にも『犯罪予備軍検査』に組み込む予定。我が子が犯罪者もおろか、親不孝な子供であってほしくないですね?どうせなら、親孝行な子供がいいですよね?、【犯罪そのものを生み出す推理小説及び、その映像作品を今月末をもってして、全て没収する。それを見聞きした全ての子供達が、たとえ生涯犯罪者にならない健全な精神であったとしても、それらの影響を受けて犯罪をおかしてもおかしくない。また、上記の理由をもってして、全ての作品に置いて悪役を決して出してはならない】』
ミストレス「酷いものね...」
そう呟いた。また新たな政策を打ち出したようだ。本格的に誰もが、肩身が狭い思いをして過ごすだろう。独り暮らしの家に帰る。
いや、1人ではなかった。
ミストレス「遅くなってごめんね」
彼女の目の前には、亡霊の少年少女が沢山いた。赤子も何人かいた。彼等は全員、産まれるはずだった命の魂。幽霊なのにちゃんと、歳は取る。ミストレスは霊感体質の持ち主だ。
彼等はお風呂に入る事も、食事も必要ない。
買い物もだ。とても大助かりだが、ミストレスは彼等を弟妹、我が子同然に可愛がった。
読み聞かせをしたり、おもちゃを買ってあげたり、赤子を抱き上げてなだめたりした。触れる事が出来なくても。そのうち、子供達の何人かは、充分な日常を送れたと満足して新しい生へ向けて成仏していく。そんな超自然的な、しかし温かい日常を、ミストレスは過ごしていた。
『ミストレスさんは、僕達をどう思っているの?』
代表の幽霊の1人が尋ねる。彼女は、赤子を寝かしつけていた。
ミストレス「可愛い子供達だと思っているわ」
当然の事だと彼女は答える。
『でも、僕達は未来には犯罪者になるって決められて、お母さんに抱かれないまま、死んじゃったんだよ...?嫌だよね?自分の子供が、犯罪者だって知ったら...』
ミストレス「それは確かに嫌な事よ。じゃあ訊くけれど、自分達がまともな子供だったら親に愛されるって、思っているの?」
彼女の達観した口調に、子供達は黙っている。ミストレスは口をまた開く。
ミストレス「はっきり言うけれど、貴方達は悪くないわ」
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ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» 本当に恐ろしい話でした（笑） (2017年12月15日 12時) (
レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
レジスタンス(プロフ) - うわあ、でもケルマの言葉をよく見れば気づけるんですよねえ……恐ろしい(笑) (2017年12月15日 12時) (レス) id: 2d55fe83e4 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» ふおお...お厳しいご意見、確かに私でも、新聞記者のイレックスに次いで、殺し屋には彼は向いてないと思わざるを得ないと、時々思っているのです。色んな意味で、優しさが捨てる事が出来ないみたいで;^_^A (2017年12月11日 17時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
レジスタンス(プロフ) - まあ、政府の為とは言え彼がしてきたのは立派な殺人であり、娘がその事で色々言われるのは当然の事で、娘に発覚する事を恐れているようではタラサに殺し屋になど到底向かない……と思ってしまいました(´･ω･｀) (2017年12月11日 16時) (レス) id: 2d55fe83e4 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» ありがとうございます！（＾ω＾） (2017年12月8日 15時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
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