オリキャラ短編集 14 (ページ12)

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部下ページ12

「出世欲が無いのか、君は」

オットー「呆れないで下さいよ、ハミルトンさん」

昼休みの上司と部下の、他愛ないやり取り。
平社員の部下に対して上司はまた呆れた。

「そんなんじゃ、将来部下を統率できないぞ」

オットー「いますよ、俺にも」

アメリカンクラッカーをいじる部下の一言に

「ほう、何人いるんだ?」

と尋ねた。どうせ、見栄でも張っていると思いながら。

オットー「ざっと...5000人ですかね」

「ご!?」

当の本人は得意げに話し始めた。

オットー「厳選した優れた部下が、何千人もいるんすよ俺。まあ、他のは6000人だったり
7000人もいるんすよ。けれどまあ、現実世界と同様、ろくでなしの部下だって紛れ込んでいたり、ストライキしてたり、とんでもない問題起こしたり...色々厄介なんですよね。最近だと」

ポンと肩に手を置かれた。上司は憐れむような目で

「悪い事は言わない。どこのファンタジー小説読んだか知らないが、いい加減現実を見た方がいい」

オットー「えええ!?俺、本当の事しか言ってないっすよ!?」

「筋骨たくましい強面君。通勤用カバンにアニメキャラのアクセサリーを付けていたね?ギャップ狙いもほどほどにな」

オットー「誰だって持つじゃないっすか!ハミルトンさんの一人息子、レラだって1個くらいあるでしょ」

「息子はフィギュアもおろか、プラモデルも1個も置かない主義なんでね」

オットー「ええええ...」

「さあ、仕事の時間だ。行くぞ」

オットー「へいへい」

冥界。

オットー「全く、私の言った事は本当だというのにな」

そう呟きながら、冥界を厳かに見下ろしていた。昼は強面で筋肉しか取り柄のない会社員でも、夜に冥府の裁判官ともなれば、話は別だ。
沢山の有能な部下を持っている話は本当だ。

「しかし、オットー様」

オットー「なんだ」

裁判官の部下はちょっとストレートに言った。

「真面目に職務をこなしていらっしゃるのに、何故あちらの世界では、その有能さを発揮しないのですか?」

オットー「う、それは...」

言葉に詰まった裁判官。

オットー「どうも、私を理解しない輩が多いから、発揮しようにもできないかもしれないな」

「強面の所為かもしれませんね」

オットー「おい、慎め」

裁判官は呆れたように言ったのだった。