オリキャラ短編集 14 (ページ2)

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インタビュー 2 ページ2

イスカーチ「じゃあ、インタビュー始めますね。ヴィルヘルム・ヨハン・エアハルトさん。
早速ですが、簡単な自己紹介をお願いします」

ヴィルヘルム「うん。その前に...」

彼は、不意に悲しげな微笑みを浮かべて言った。

ヴィルヘルム「何もしてやれなくて、ごめんね」

イスカーチ「え...」

ヴィルヘルム「僕の大切な友人の愛する人が、1人でずっと悲しくて寂しい思いをしていたのに、こちらはとても忙しくて、一つも慰めの言葉をかけることが出来なくて...。その事をずっと思っていたんだ」

イスカーチ「そ、そんな事...」

友人の恋人に対して、そんな風に思っていたなんて予想外だった。生前の相棒は言っていたっけ。この男は決して鼻にかけない、とてもお人好しなのだと。

ヴィルヘルム「それと...風の噂で聞いたんだ。ある事件の被害者の子供を引き取ったと。警察官を辞めた事も...。やっと言える。辛かったね。...でも、よく頑張った。こうして元気な姿がまた見られただけでも、不安が消えたんだ。私は嬉しいよ」

美辞麗句は無く、優しさにあふれた言葉だ。
どの女性も彼に惹かれるわけだ。

イスカーチ「私はいいの。あれから随分荒れてたけど、もう立ち直ったわ。貴方が慰めようがしなくたって、時が経てば立ち直れたわよ?気にしすぎ」

ヴィルヘルム「ああ、そうだったね」

ウェイターが、コーヒーとココアを運んで来た。テーブルに置かれたそれらを、2人はそれぞれ口にした。

イスカーチ「いつもココアを頼むそうですね」

ヴィルヘルム「ああ、彼から聞いたんだね。...僕はこの店に来ると、必ずココアを頼むんだ。この店に初めて来た時からずっとね。僕にとっては、思い出の味なんだ」

イスカーチ「へぇ...」

ヴィルヘルム「じゃあ、本題に入ろうか」

ヴィルヘルムは、イスカーチからの質問に簡単に答えていった。
地主貴族(ユンカー)の家系に生まれた長男である事。父が飛行機事故で亡くなって数ヶ月後に、次男が家督になった事。父親が厳格な教育者であった為、家族はほとんど父に反抗しなかった事。母が数年前に、病で死去した事も。

イスカーチ「もっと、教えてくれませんか?」

ヴィルヘルム「もっと?...分かった。君の仕事の為に話そう」

困ったように笑っていた彼は、静かに昔話を語った。