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冥府の悪霊達 20 ページ20

歩く事もおろか、立つことすら出来そうにないシュネルを金蘭はおんぶした。

「やれやれ、子供じゃねぇんだから...」

シュネルはまだ泣いていた。愛して信じていた者による裏切り程、身を引き裂かれる辛さは計り知れない。

「どこへ行くんですか?」

茶智子の問いに、役人は言った。

「普段は滅多に使いませんが、貴方達の言葉で言うなら...休憩所のような所です。そこで心身共に休ませてから、現世へ帰る支度を整えて下さい」

その言葉は素っ気なかったが、冷酷な印象は無かった。

「もう少しで着きますよ」

案内された4人は神殿のとある一室に連れて来られ、席に座っていた。質素な作りのテーブルと椅子、そして紅茶とザクロが運ばれてくる。

「オットー様がお戻りになるまでお待ち下さい。冥界産だと心身が汚れるので、地上から入手したザクロと紅茶をご用意致しました。安心して召し上がって下さい」

「ありがとう」

イスカーチは礼を言って、最初に紅茶を口に運ぶ。

「...うん、普通の紅茶ね。飲んでも大丈夫よ」

「ほんとだ、温かい...」

「シュネル、無理ならいいぜ」

シュネルの方はためらっていたが、やがてカップを手にする。

「本当だ...美味しいね」

泣きはらした顔でも、シュネルは快活な雰囲気を僅かに留めていた。お転婆娘がそのまま成長したような感じだ。そんな自慢の一人娘を、あの2人は存在すら否定したのだ。酷いという言葉では言い表せない。

「シュネル...大丈夫なの?」

「...はは、笑えるよね。嬉し涙から絶望の涙になったなんて、初めてだよ...」

するとまた役人が現れた。数枚の紙を手にしていて、それらをテーブルに置いて退出した。

「シュネル・ラピドゥス。貴女のご両親に関する資料です。真相を知りたいのなら、お読み下さい。読まなくても咎めませぬ」

シュネルは2、3度手を伸ばすのをためらうも手に取った。そして、娘を手にかける程に情の無い両親に関する選択を迫られるだろう。
天使の慈悲に従って許すか。
悪魔のように残酷に縁を切るか。



親子を、パーシアスを襲った衝撃の正体は、悪霊達だった。

「やっと見つけた」

「お前の身体」

「探した探した」

パーシアス「おい!やめろよ!離せって!!」

体をよじって逃げようも、彼等の力は凄まじかった。生への情念が嫌でも感じられる。

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ルツ・ヒューイット(プロフ) - 新藤息吹さん» ありがとうございます!アンテをもしやるとしたら、ずっと平和ルートばっかすると思います(笑)フラウィー戦もヒーローアンダイン戦もやりたい気持ちはありますが、やりたくないです(笑) (2018年11月17日 21時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
新藤息吹(プロフ) - 面白かったです!見事にUndertaleにハマりましたね… (2018年11月17日 20時) (レス) id: 4a72550ddd (このIDを非表示/違反報告)
ルツ・ヒューイット(プロフ) - すぐ終わるかもしれない話です(笑)一応、ホラーチックな(?)ストーリーになります。 (2018年11月14日 22時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
新藤息吹(プロフ) - 面白かったです!体を温めてゆっくり休んでくださいね! (2018年10月26日 18時) (レス) id: 4a72550ddd (このIDを非表示/違反報告)
ルツ・ヒューイット(プロフ) - 訳ありまして、私ルツは...『ルツ・ヒューイット』というペンネームに変えます。呼び方はこれまで通り『ルツ』で大丈夫です! (2018年10月13日 18時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルツ・ヒューイット | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2018年9月5日 21時

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