オリキャラ短編集 2 (ページ26)

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オリキャラ昔話特別編汚れた白雪姫 2 ページ26

「シュネー、あんた何とかしてよ」

ある日、困り果てた顔で現れたリーダー格。

シュネー「なんだい?またトラブル起こしたのかい」

ベッドで寝そべりながら、無関心そのもののように尋ねる。

「男の学生様だけどさ、あたしらには目もくれない。『うるさい』だの『ここには静かにできる場所はないのか』だのばっかりよ!あんな客は初めて!どれだけ秋波を送っても、全く効果ないわ。『そんな眼差し送るなら、勉学にでも励め』って。ああ、もう...」

相当困り果てているようだ。ベッドから半分起きる。

シュネー「ふーん...他人任せにさせるくらい、困ってんだ?」

「なんとかしなさいよ!シュネーヴィトヒェン」

相手が向こうへ消えたと同時に、問題の青年が部屋に入ってきた。自分と同い年か、若干年上に見える赤色の熊の青年だった。整った顔つきだが、愛想がない雰囲気がする。数冊の本を脇に抱え、肩にかけたバッグは古そうだが、高級店で買った物だと思わせた。部屋を見渡し、無言でずかずかと歩むや否や、彼女に脇目もくれず通り過ぎ、机の上に本をドサッと置いた。
そして椅子に腰掛けて勉強を始めたのだ。
ベッドから降りずに、現れた来客を物珍しげに眺める。青年の横顔は、これまで見てきたどの客よりも深い見識と知性を黒い目の中に宿していた。その顔が愛おしく思え、ずっと眺めていた。
初めての、心地よい沈黙の世界。

「シュネーヴィトヒェンか...」

青年が口を開いた。

シュネー「れっきとした本名さ。シュネーヴィトヒェン・フォン・シュミット。皆は『シュネー』って呼んでる」

「白雪姫という意味の名を付けるとは、君の親は目立ちたがり屋なんだな」

シュネー「結果、名前負けになったけどな」

ヨーゼフ「ヨーゼフ。ヨーゼフ・ケーニッヒ」

彼はそう言って、初めて彼女と視線を交わらせた。

ヨーゼフ「無知な女達は、とかく媚びを売る。煩わしい」

吐き捨てるように彼は言ったが、即座に言った。

ヨーゼフ「だが君はどうも...俺が今まで出会ったどの女とも違うな」

シュネー「あたしも。あんたは他の男達と違うな。あたしの親父や兄弟とも違うぜ。あいつら、頭良いだけの馬鹿だ。つまらなくて、頭でっかちだ」

青年は口を開く。

ヨーゼフ「訳を話さないとな。どうして俺がこんな場所にまで来て、勉学に勤しまなければいけないのか」