オリキャラ昔話 特別編 汚れた白雪姫 1 ページ25
「あんたねぇ...相も変わらず不調じゃないかい」
リーダー格の女が呆れたような怒声を帯びていたが、壁に寄りかかっているティーンエイジャーは、表情を全く変えずに足を組んでいた。
シュネー「はいはい」
「次の客が愛想尽かして出て行ったら、今度こそ出て行ってもらうからね。シュネーヴィトヒェン」
シュネー「そういうあんたは、客に愛想尽かされそうな顔をあたしに向けているけどね」
「何ですって」
シュネー「ほらほら、お客様にもてなしの用意をしたらどうだい?」
「知らないわ!」
仲間は呆れてどこかへ行ってしまった。
緋色の目を持つ美しい白い熊は、剽軽な顔で見送った。
シュネーヴィトヒェン・フォン・シュミット。愛称シュネーは、世間の誰もが疎むこの仕事に就いて一年。親兄弟とも絶縁されたが、大して悲しまなかった。とても裕福な家庭で何不自由なく過ごしてきた彼女は、聡明だが筋金入りの変人だった。一家の期待を背負うのは望んでいないと思って生きてきた。
この仕事を選んだのは、単に興味があったからと、自分と同じ変わり者がいないか探す為だった。しかしながら、どの同性も異性も、常識人でつまらなかった。変人の彼女に呆れて離れていく。
「本当、シュネーは男のロマンを壊しているわ」
「『汚れた白雪姫』は、まさに彼女だわ」
仲間からそう言われても、いつも笑って受け流す。
クビになったら、また新しい仕事を探せばいい。住んでいるこのアパートメントは時代に取り残された感じの古さを持っている。そして主に女性が住んでいる。所帯を持っている者もいるが、大半はその日その日を頑張って働く未婚者。小遣い稼ぎや収入を得る為に、各々の汚らわしい仕事をしている。
シュネー「...最高じゃん」
誰に呟いているのか、彼女はポツリと楽しそうに言った。窓に映る一本の大きなリンゴの木。収穫の時期になれば、皆でリンゴを摘む。彼女はリンゴが大好きだから、とても嬉しかった。リンゴの木の近くに住むのが彼女の大きな望みであった。
シュネー「面白い奴、来ないかなぁ」
リンゴの木に向かって話しかける。
シュネー「あたしと同じくらい、賢くて面白い奴を、連れて来てくんねぇかなぁ?もし、本当に連れてきてくれたんなら、嬉しいんだけどね」
カサカサと、葉が風に弄ばれる音がこちらにまで響いた。
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ドレミファソラル(プロフ) - ルツ・ヒューイットさん» 分かりました! (2019年12月8日 20時) (レス) id: f1d7b393e2 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ・ヒューイット(プロフ) - マイボードにて、オリキャラ質問コーナーをまた設けましたので、気が向いたら見て下さい。 (2019年12月8日 20時) (レス) id: c66e7460a0 (このIDを非表示/違反報告)
ドレミファソラル(プロフ) - ルツ・ヒューイットさん» ありがとうございます!! (2019年12月7日 20時) (レス) id: f1d7b393e2 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ・ヒューイット(プロフ) - ドレミファソラルさん» 承りました!登場人物4人でお話作りに取り掛かります! (2019年12月7日 20時) (レス) id: c66e7460a0 (このIDを非表示/違反報告)
ドレミファソラル(プロフ) - ルツ・ヒューイットさん» ウィキドネス先生は男性で一人称は俺です。数話程のショートでお願いします! (2019年12月7日 19時) (レス) id: f1d7b393e2 (このIDを非表示/違反報告)
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