魔術師の落とし物と失踪 16 ページ16
「本当にレティシアは人使いが荒いぜ...」
クラージュは呆れたように言った。
「あ、あそこの方って...」
アンナは言った。物陰から姿を現した1人の男性。間違いない、ゲオルグ・ケーニッヒだ。
「やっぱり...ここでプロポーズを」
レティシアが言った直後だった。
「恋路を見学するのは良くないぜ」
聞き覚えのある声が聞こえたと同時に、3人の思考が止まった。
「...?」
アイリスは振り返った。誰かがいたような気がしたのだが、既にその気配が消えていた。
「おいおい、逢いたいと思う男は目の前にいるんだぞ」
「あ...」
「悪いな...全部芝居だったんだ。君をこちらに来る為のね...」
飄々とした笑みを浮かべながら、彼は言った。
「随分、人騒がせな方ですね...。私の仕事の時間を割いてまで、やる必要があったんですか?」
呆れながら彼女は、非難がましく言った。そんな言葉を聞かぬふりをして、彼は言った。
「もう1つ、あの箱を持っているな?」
幾何学模様が彫られた、その小箱を差し出した。
「最後の謎だ。この箱を開けるには、パスワードを入れなければならない。......厳密には、この模様は動かせるんだ。ある形にすれば、開けられるんでね」
アイリスは、幾何学模様を動かし始めた。
最終的に出来る形は花だ。やっと出来上がったそれを、男に見せた。幾何学模様を元に戻すと、自分の名前と同じ花と、彼が好きなベラドンナとトリカブトの花になった。彼は無邪気に笑った。
「おお、すごいじゃないか!早速開けてみてくれ」
「分かりますよ...中に何が入っているかは...」
溜め息を吐きながら、小箱のフタを開ける。
「え?」
予想していた物が、入っていなかった。何も、入っていない。思わず、素っ頓狂な声を出してしまった。
「あっははは、だまされたな!予想していた物は、この箱に入っていないよ」
悪戯が成功した子供のように、ひとしきりにゲオルグは笑い終えると、わざとらしく指を立てた。
「最後の謎解きだ。この近くに君が求めている物がある。探してみてくれ」
遠くから眺めていたレティシア。あの2人は、サイラスの魔法によって、引き下げられた。
「用心棒を、彼から任されたんだぜ」
サイラスはそう言った。体調を崩していたが。
「『この近く』...分からなくないですね」
レティシアは言った。
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ラッキーフラワー
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ルツ・ヒューイット(プロフ) - 私作者は、改めてこの章の話を見返しましたが、余りにも自分でも分かる程不甲斐無い話だと恥ずかしくなりまして、誠に勝手ながら一部を大幅に編集させていただきます。 (2021年7月9日 10時) (
レス) id: d8efa9f421 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - SYUNSUKEさん» お、いいですよ。どんな風になるか分かりませんが、良いものであるならどうぞ。 (2017年11月14日 19時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
SYUNSUKE - ルツさん» あとなんですが、テンプレの企画でこの小説を参考にしてもよろしいでしょうか？ (2017年11月14日 18時) (レス) id: f60eebe690 (このIDを非表示/違反報告)
SYUNSUKE - ルツさん» 確かに、めちゃくちゃ大きい設定でしたもんね (2017年11月14日 18時) (レス) id: f60eebe690 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - 新しく改変した話は、ユーモアミステリにしました（笑）今度こそ、リベンジです！ (2017年11月14日 11時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
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