魔術師の落とし物と失踪 11 ページ11
「この乗り物は、唯一石炭を動力として働いていた乗り物...。まさかと思うけれど...」
レティシアは、そう呟いた。エルスペスは、辺りを見回していた。
「けどよ...次に繋がる物が、見当たらないぜ...」
動きを停めた空中蒸気機関車は、それほど高くない位置で、出入り口が開くと同時に長いエスカレーターが地面に向かって伸びた。エスカレーターから、人が降りていく。そのうち、ある人物が2人を目撃した。
「ああ、いたいた‼︎」
2人が気付いた時には、その人物は地面に降り立った。
「貴女達...雑貨屋の『テルティオー・クオクエ・メンセ』で働いている従業員?」
慣れ慣れしく話しかけてきた女性、ケルマ・ガランサス・ニバリスだ。瑠璃色の髪はボサボサで、黒い瞳は子供のように大きく丸い。平均的な体型をしていて、肌は透けるように白い。
雪の結晶が所々織り込まれた制服は紺色で、紺色のズボンの裾にも雪結晶が緻密に刻まれている。ゆったりとしていて、まるで女性用修道服のようだ。被っている黒色の帽子には、スノードロップが飾られていた。バッジも右目の目元にある入れ墨も、スノードロップだ。
「よかったぁ、貴女達を見つける事が出来て!『もし、空中蒸気機関車だと分かった赤毛と金髪の乙女がやって来たら、届けてくれ』って、お届け物を頼まれてさ」
「死と幸福の魔法が使える、魔法使いの貴女が...?」
エルスペスは、少し躊躇って尋ねた。彼女は、死と幸福の魔法が使える魔法使いだ。掴み所がまるでない事で非常に有名だ。今年で、23歳になったばかりだとか。
「変わっているよなぁ、あの人。まぁ、いいや。これをどうぞ」
差し出したのは、幾何学模様が刻まれた、黒い小さな箱だ。かなり厳重に閉じられていて、開けられそうにない。
「こんな物、見た事ないや。まぁ、中に何が入っているかは、想像に任せるか。それじゃあ、渡せる物を渡したから...失礼するよ」
「ちょっと待てよ!こんな物を渡した奴は、誰なんだよ⁉︎」
エルスペスが再度尋ねる。
「匿名だって。教えられないよ。...でも、これだけは教える。俺は、名前だけは知っているアイリス・アリオールと同じ魔法使い。これを託した相手も、アイリスの知り合いだってさ。
彼女と同じ魔法使いだからという理由でね」
そう言うと、霧のように消えた。
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ルツ・ヒューイット(プロフ) - 私作者は、改めてこの章の話を見返しましたが、余りにも自分でも分かる程不甲斐無い話だと恥ずかしくなりまして、誠に勝手ながら一部を大幅に編集させていただきます。 (2021年7月9日 10時) (
レス) id: d8efa9f421 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - SYUNSUKEさん» お、いいですよ。どんな風になるか分かりませんが、良いものであるならどうぞ。 (2017年11月14日 19時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
SYUNSUKE - ルツさん» あとなんですが、テンプレの企画でこの小説を参考にしてもよろしいでしょうか？ (2017年11月14日 18時) (レス) id: f60eebe690 (このIDを非表示/違反報告)
SYUNSUKE - ルツさん» 確かに、めちゃくちゃ大きい設定でしたもんね (2017年11月14日 18時) (レス) id: f60eebe690 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - 新しく改変した話は、ユーモアミステリにしました（笑）今度こそ、リベンジです！ (2017年11月14日 11時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
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