あまりにも下らない珍事件 17 ページ49
プロムナードの言葉にブローカーは頷き、写真をしまった。生きていれば妹をこの雑貨店に来させる事が、出来たのかもしれない。そしたら、レティシアとエルスペスと友達になれたかもしれない。特にエルスペス・ガーベラという女性に最初に会ったあの日に、衝撃を受けたものだった。妹とほとんど似ていた容姿に、名前の雰囲気も似通っていた。性格だけは正反対だったが。
「プロムナードもそうだっただろ？...結婚を約束していた幼馴染みとその兄であり親友を...亡くしている」
「まあな...」
ブローカーのたった1人の妹は、島の治安が悪化し始めた頃に強盗に殺され、プロムナードの場合、幼馴染とその親友は毒殺された。2人の両親による無理心中で。あの島には2度と帰らない。どれ程の美しい思い出も、第三者によって奪われては無意味に変わるからだ。
「仕事が終わったんだ。どこか飲みに行くか？こんな珍事を忘れてしまおう」
「ああ、そうだな。改めて見たら、お前の顔は痛々しいな」
「もう、言うな。俺の自然治癒力で完治する」
暗い過去から払拭するように、警部と警部補は歩き出した。
「はぁ！？それが真相だったわけ！？」
エルスペスは、ゲラゲラと笑った。サイラスもステラも同様だった。
「そうだ。全く、本当に疲れたよ...」
ライオネルは、うんざりとした顔で溜め息を吐いた。
「こんな下らない事で振り回されるなら、もっと刺激的な内容の方が良かった気がしたんですけどね」
レティシアは、物足りないと言う顔で言った。
「止めてくれ、レティシア。こっちは雑貨屋なんだ。依頼なんて、お断りなんだよ？」
サイラスは、頼むように訴えた。
「だから、依頼なんて引き受けないでくれよ？」
「そう言うだろうと思ってましたよ」
レティシアは、立ち上がる。
「でも、依頼なんて来ると思いますよ。今度は刺激的な内容だといいですが」
「それだと、雑貨屋が成り立たなくなるじゃないかああああ！！このまま経営不振になったらどうしようとか、在庫が余ったらどうしようと考える俺の身を考えろよおおお...！」
サイラスの悲痛な叫びに、またライオネルとステラ、エルスペスは笑った。彼等のそれぞれの思いが入り乱れる雑貨屋『テルティオー・クオクエ・メンセ』が、幸か不幸かまた事件を解決する事になるのは、すぐ先の話だ。
続く
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ラッキーフラワー
グロリオサ
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ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» ありがとうございます！次章をお楽しみ下さいね(^^) (2017年9月8日 12時) (
レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
レジスタンス(プロフ) - 面白かったです！！ (2017年9月8日 12時) (レス) id: 2d55fe83e4 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - 2人の刑事が住んでいた島のモデルは、『軍艦島』がモデルです。あの雰囲気が魅力的だったので、投影させました。シリアスな場面はここまでで、後からギャグに走っていきます！(上手くできるだろうか...) (2017年9月2日 15時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
レジスタンス(プロフ) - ルツさん» 楽しみです！ (2017年9月1日 13時) (レス) id: 2d55fe83e4 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - お久しぶりの更新です（笑）今回は、ギャグの方面で行きます！ブローカー警部とプロムナード警部補の年齢を、引き上げました(どうでもいい)。 (2017年9月1日 10時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
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