あまりにも下らない珍事件 15 ページ47
「...子供ゆえに無慈悲ね」
レティシアは、まっすぐ2人を見る。
「後少し遅かったら、誰もそこに猫達がいる事に気がつかないまま、工事の際の事故に巻き込まれて死ぬか閉じ込められてそのまま死んじゃったかもしれなかったのよ。それすら想像も出来なかったなんて、本当に貴女は子供のままの残酷さを残しているわね。無邪気と表裏一体なまでに」
「あはは、レティシアったら怖ぁい。でも私、全然怖くないもんね！」
やり取りを見ていたプロムナードが、気づいたように言った。
「お前達...人間じゃないな。半分人間だが、半分は魔の血が流れている...」
「お察しがよろしいようで」
スペランツァは感心しているのかしていないのか、2回程頷く。
「ナンシーは堕天使の血を。俺は魔妖精の血を引いている」
「堕天使と魔妖精だと...？」
「警部と警部補、少し黙って下さい。どうして、こんな事をしたんだ？」
「教えよう、ライオネル。ナンシーのお遊びだ。ついでに俺も暇だったからな...。だから、やったにすぎない」
何とも浅ましい、非人間的な理由に誰もが呆然となった。生き物の命など、どうでもいいと思っているようなそんな2人の態度に。
「ともかく、謎解きおめでとうと伝える為に来たからね。おめでとう。また私達と遊ぼうね。今度はクラージュとエリスを連れて行こうと思うから、楽しみに待っててね」
ナンシーは無邪気に笑って、スペランツァと共にフッと姿と影を消した。後に5人は残されたが、ライオネルの溜め息で破られた。
「こいつらに踊らされるなんて...なんて、馬鹿馬鹿しいんだ...」
「同感ね...」
ブローカーは、警視正に向き合う。
「我々のやるべき事は、これで果たし終えました。それでは、これで失礼します」
僅かに地平線に残っていた陽光は、すっかり消えて夜になった。4人は魔法によって灯された街灯を歩きながら、話をしていた。
「それにしても...」
ブローカーが、開口一番に言う。
「あの2人は魔界に住んでいると言っていたが、信じられんな...。そんな者と関わっているなんて」
「まぁ...腐れ縁みたいなものですよ」
レティシアは、それだけを答えた。
「魔界には魔界しか通じない法律があるから、我々には手が出せない。逮捕もおろか、説教すら出来ない」
プロムナードは、駆けていく子供をかわして言った。
あまりにも下らない珍事件 16→←あまりにも下らない珍事件 14
ラッキーフラワー
グロリオサ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» ありがとうございます！次章をお楽しみ下さいね(^^) (2017年9月8日 12時) (
レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
レジスタンス(プロフ) - 面白かったです！！ (2017年9月8日 12時) (レス) id: 2d55fe83e4 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - 2人の刑事が住んでいた島のモデルは、『軍艦島』がモデルです。あの雰囲気が魅力的だったので、投影させました。シリアスな場面はここまでで、後からギャグに走っていきます！(上手くできるだろうか...) (2017年9月2日 15時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
レジスタンス(プロフ) - ルツさん» 楽しみです！ (2017年9月1日 13時) (レス) id: 2d55fe83e4 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - お久しぶりの更新です（笑）今回は、ギャグの方面で行きます！ブローカー警部とプロムナード警部補の年齢を、引き上げました(どうでもいい)。 (2017年9月1日 10時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
