あまりにも下らない珍事件 13 ページ45
「さて、屋敷の改修工事が終えました。しかし、ここでアクシデントが起こってしまいました。...夜が明ける前に冷石が故障してしまったのです。たちまち蒸し暑くなる室内に、猫達は我慢がならなかったのでしょう。動物としての本能で涼しい場所を他に探し求めようと、屋敷を出て大移動したんです」
「そんな事が本当に...！？」
「そうよ、ライリー。...警視正さん、貴方は先程、仰ってましたよね。猫達のストレスを溜めないように放していると。だとすれば、猫達は窓から出たと考えられるのです」
それを聴いた警視正、警部と警部補は驚きを露わにした。
「窓から...？警視正、窓は全部閉めていましたよね？」
確かめるようにプロムナードが尋ねる。警視正は、記憶をたどって言った。
「ええっと...。空気を少し入れ替えようと、天窓以外の窓は閉めたが...」
「ライオネル、天窓の周辺を見てきて」
「あ？...ああ、分かった。すいません、その天窓のある部屋は...」
ライオネルが部屋から出ていくのを見届けると、レティシアは話を続けた。
「話を元に戻します。避暑を求めて、窓もドアもしまっていると分かった猫達は、唯一開いていたその天窓から出て行ったんです」
「天窓からだと？幾ら身体能力が高い猫でもそんな事...」
「本当でございます、ブローカーさん。猫は優美な姿とは裏腹に、高い運動神経を持っています。天窓がある場所は書庫。...もう、お分かりですね？たとえ梯子が無くとも、書庫の棚に飛び乗って天窓から脱出する事も可能なんです」
警視正は二、三度首を横に振る。
「そんな事...」
ちょうどその時、ライオネルが戻ってきた。彼の手の中には茶や黒、白などの毛が握られていた。
「警視正。これをご覧下さい。天窓の下、書棚の上にありましたよ。見覚えがございますか？子猫達の体毛ですね？...これが、猫達が外に出た事の証拠になるんじゃないですか？」
「こんなのがあったのか...。だが私は、隅まで探したのに見つからなかったんだぞ」
「警視正...」
微笑みながらレティシアは言葉を紡いだ。
「貴方は背が低い。その所為で、貴方様は書棚の上にいる猫達に気づく事が出来なかった。背が低かった故に、上に目を向けても見つかる事が出来なかったのではないのでしょうか？」
警視正は何を言えば分からず、呆然としていた。
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グロリオサ
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ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» ありがとうございます！次章をお楽しみ下さいね(^^) (2017年9月8日 12時) (
レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
レジスタンス(プロフ) - 面白かったです！！ (2017年9月8日 12時) (レス) id: 2d55fe83e4 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - 2人の刑事が住んでいた島のモデルは、『軍艦島』がモデルです。あの雰囲気が魅力的だったので、投影させました。シリアスな場面はここまでで、後からギャグに走っていきます！(上手くできるだろうか...) (2017年9月2日 15時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
レジスタンス(プロフ) - ルツさん» 楽しみです！ (2017年9月1日 13時) (レス) id: 2d55fe83e4 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - お久しぶりの更新です（笑）今回は、ギャグの方面で行きます！ブローカー警部とプロムナード警部補の年齢を、引き上げました(どうでもいい)。 (2017年9月1日 10時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
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