あまりにも下らない珍事件 12 ページ44
「私、知ってますよ」
ある場所に向かいながら、レティシアは言った。
「何を知っているんだ？」
レティシアは、ブローカーに目を向けて訳を話した。
「貴方が誰かに恋をしている事を。その人物を知っています。警察署内にいるのではなく...身近な人物」
それを聴いたブローカーは、一瞬たじろいだ。
「ぬ、抜かすな、レティシア・アニー・ネモフィラ！俺がそんなうつつを抜かすような事など、する訳ないだろう！」
「それでしたら、根掘り葉掘り訊かない事にしましょう。...ここが、氷室なんですね」
警視正の住む屋敷からそれ程遠くない場所に、氷室があった。木の柱に白壁の、いかにも涼しげな雰囲気を漂わせる小さな建物だ。
「ここからでも冷気が伝わるな...。冷石を長い間使うと、例え無くなっても涼しさは当分失わないと聴いた事がある」
人気の絶えたその氷室を、レティシアは思い切り開けた。凍えるような寒さではないが、程よい涼しさがほんのりと伝わった。何も置かれていない棚の上に、薄暗いが何か紐のような物がぶら下がっているのを、ブローカーは首を傾げた。
「何だこれは」
「あ、警部！引っ張っちゃ」
レティシアが慌てて止めたが、もう遅かった。尻尾を掴まれ引っ張られた怒りで、警部は猫に引っかかれてしまった。棚の上にいたのは、総勢12匹の猫だった。
「見つけ出してくれて、ありがとう」
警視正は沢山の子猫達に囲まれ、喜色満面に言った。猫に引っかかればんそうこうを沢山貼られた警部と、猫嫌いである事を晒され、後悔する警部補を除いて。ライオネルはレティシアに尋ねた。
「じゃあ、俺らに話してくれないか？」
「簡単な事ですよ。動物の習性を考えて推理したまでです。猫は夏の場合、涼しい場所に行く。涼しい場所といえば木陰などがありますが、その場所よりももっと涼しい場所が氷室や地下室です。改修工事をするまで、猫達の涼しい場所はここだけでした。改修工事の件で猫達が離れに移された時、子猫達は他にも涼しい場所を見つけたと学びました。あの離れは隙間風などで、涼しかったのですから。離れで過ごすうちに、それ程離れていない場所で使われていない氷室に、好奇心で入ったと思います。氷室も当然涼しい。猫達はこうして、屋敷以外の避暑地を見つけて覚えていったんです」
レティシアは、話を続けた。
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ラッキーフラワー
グロリオサ
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ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» ありがとうございます！次章をお楽しみ下さいね(^^) (2017年9月8日 12時) (
レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
レジスタンス(プロフ) - 面白かったです！！ (2017年9月8日 12時) (レス) id: 2d55fe83e4 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - 2人の刑事が住んでいた島のモデルは、『軍艦島』がモデルです。あの雰囲気が魅力的だったので、投影させました。シリアスな場面はここまでで、後からギャグに走っていきます！(上手くできるだろうか...) (2017年9月2日 15時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
レジスタンス(プロフ) - ルツさん» 楽しみです！ (2017年9月1日 13時) (レス) id: 2d55fe83e4 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - お久しぶりの更新です（笑）今回は、ギャグの方面で行きます！ブローカー警部とプロムナード警部補の年齢を、引き上げました(どうでもいい)。 (2017年9月1日 10時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
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