無邪気な死の悪夢 49 ページ27
温かく美味しいかゆを食べ終えた後、レティシアは気付いたように言った。
「アッリウム・ケーパは？」
「あ、彼奴か。彼奴も相も変わらず玉ねぎしか売ってないぜ。彼奴も、変な夢を見た気がしたけど思い出せねぇってさ」
「ふーん...」
まぁ、それが夢というものだろう。人知で計り知れない、甘美で儚いものの象徴として夢があるのだから。
「レティシア、なーんかこう呼ぶのはあれだから...愛称を勝手に考えたけど、これからは時々『レティ』って呼ぶぜ」
エルスペスの言葉に、レティシアはちょうど食事を済ませたところだった。
「え、そう呼ぶの？」
「ああ、いいだろ…親友なんだから、これ位は許されるんだぜ？あたしの事は、『エルシー』って呼んでいいんだぞ？」
レティシアは少し驚いた顔になっていたが、やがて微かに笑った。
「親友か...いい響き。私、初めてだよ。これからも私の友達でいてくれるなら、ずっと一緒にいる事を約束してくれる？」
エルスペスの答えは、迷う事なく肯定だった。
「ああ！あたしらは、もう親友さ！」
「私の体調が良くなったら、アッリウム・ケーパの所に行きましょうよ。久し振りに会いに行きたい」
「ああ、3日位になったらな」
エルスペスのつきっきりの看病によって、3日も経たないうちに、レティシアは元気を取り戻した。
「ん、お前ら」
市場でアッリウム・ケーパと再会した。本当に玉ねぎしか売っていないのが、何も変化がないという証拠だった。それが微笑ましい。
「んだよ、また俺を馬鹿にしに来たのかよ？」
「ああ、馬鹿にしに来たぜこの玉ねぎ」
「いい加減、俺の名前言えやああああ！！」
2人のこのやり取りを、余興でも見るかのようにレティシアは眺めていた。
「兄さん...」
そんな喜劇を遠くから見つめるのは、天使のように美しい兄弟。すっかり成人していたアモル・エンジェルは、兄のフェリーキタースに問う。
「兄さんも分かっているはずだ...」
兄は何も言ってこない。
「彼女にこれ以上関わったら...」
「分かっているよ」
フェリーキタースは、それだけを言った。
「帰るよ」
アモルは、レティシアを一目見てから、兄の跡を追った。
「僕には、もう見えているよ」
アモルは続けて言う。
「彼女の力は、生まれつき制御が効かない。短命の運命が見えるんだ」
ラッキーフラワー
グロリオサ
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ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» ありがとうございます！次章をお楽しみ下さいね(^^) (2017年9月8日 12時) (
レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
レジスタンス(プロフ) - 面白かったです！！ (2017年9月8日 12時) (レス) id: 2d55fe83e4 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - 2人の刑事が住んでいた島のモデルは、『軍艦島』がモデルです。あの雰囲気が魅力的だったので、投影させました。シリアスな場面はここまでで、後からギャグに走っていきます！(上手くできるだろうか...) (2017年9月2日 15時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
レジスタンス(プロフ) - ルツさん» 楽しみです！ (2017年9月1日 13時) (レス) id: 2d55fe83e4 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - お久しぶりの更新です（笑）今回は、ギャグの方面で行きます！ブローカー警部とプロムナード警部補の年齢を、引き上げました(どうでもいい)。 (2017年9月1日 10時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
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