今日も明日もメメント・モリ 23 ページ25
数分後に戻ってきたエルスペスの顔は、悔しさをにじませていた。
「駄目だ...あの筋骨隆々の警部が『そんな奴とは限らない。事件が起こってからでないと警察は動けない』って」
「そう...。だとしたら、私はお節介焼きだわ...。忘れましょ」
「レティシア...」
気丈に振る舞う彼女に、サイラスは気がかりな表情になった。
それから、4日が経った頃。
『警察は未だに捜査を続けています...』
ラジオから流れる連続殺人事件の状況。住人の間では、こうささやかれるようになった。捕まる事の出来ない、神秘に包まれた犯人の女性。詩になぞらえた殺人事件。
『メメント・モリ殺人事件』、『メメント・モリの女死神』と。
「死神か...」
ライオネルは、そう呟いた。朝の日曜日。仕事は休みだ。5人は、店の中で特に何もせず過ごしていた。家で過ごせばいいのだが、する事が無いので、ここにいる事が多いのだ。彼等は、この事件についての世間話をする事にした。
「犯人の人相は特定してないし、容疑者の女性のDNAしか見つかってない。一体、誰だろうな？」
エルスペスが商品をいじくり回すのを、ライオネルから止めろと制された。
「これまでの被害者と、どういった接点があったのか全く知りようがないな...」
ライオネルは髪を弄るばかり。
「まだ殺人事件が起きていないとすると、もう犯人は諦めたのか？それとも、死んじまったかな...」
サイラスは、今朝来たばかりの手紙を読みながら呟く。相手は彼の友人、カルセオラリアから。レティシアは、ステラと向き合う。
「そういえば、貴女はその紳士と会ったのよね。そのお方に、女性はいたの？」
ステラは首を横に振る。
「あの人に女っ気は無かったようで。でも、左手の薬指に指輪があったから結婚していたみたい。...あの2人の警察官、ヒューズさん調べたけれどそんな人いなかったって...」
ステラは、何とも言えない表情になる。
「もしかしたら、ヒューズさんって言う人は偽名だったかもしれない。あたしの考えだけど」
「確かにそうかもしれない...」
「レティシアさん？」
「警察からの情報で、彼らしき人物は目撃されてないなら...その人は、かなり警戒心が強そうね。そして、きっと名前も変えている。警察が追っている謎の女性とも、関わりがあると思うけれど...もしかしたら」
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ルツ(プロフ) - それでは、続編に参ります！ (2017年3月13日 15時) (
レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - この話に出てきたボニーとクライドは、私のファン様レジスタンス様の作品、『リコリス・ラジアータの推理メモ』シリーズに登場するキャラです。レジスタンス様から許可を頂き、名前だけの登場となりました。レジスタンス様の作品をぜひお読みになって下さい。 (2017年2月23日 12時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - さて、ここでようやく...私のHTFオリキャラ(擬人化注意)の登場です！HTFバージョンと比べて、設定がひどく凝ってます（笑）HTFバージョンとこちらでは、色んな意味で別物であると、認識して下さい（笑） (2017年2月16日 17時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - 出てきた2人の刑事のファーストネームですが、それぞれ雑誌の名前から取りました。『ストランド・マガジン』(イギリス)と『リピンコット・マガジン』(アメリカ)です。どちらも、シャーロックシリーズを載せた雑誌として、有名です。講義で習いました。 (2017年2月2日 9時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» それは、終盤になってからのお楽しみです！名推理ですね！ (2017年1月26日 16時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
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