今日も明日もメメント・モリ 15 ページ17
ライオネルの魔法『時の針』が発動し、少女の動きが止まった。
「店長、何してんだよ！」
階上よりやってきたエルスペスに言われ、サイラスは慌ててその通りにした。ナイフを取り上げた瞬間、時の魔法は戻った。
「あれ...！？って、え！？嘘...！取られて...」
状況が整理出来ない少女に、ライオネルは手のしびれを怺えながら言う。
「朝っぱらから盗みを働くとは、何様だ？」
「あの、あたし...」
後を追ったレティシアは、少女を見て気付いた。
「貴女は『
「何なんだ？」
レティシアは何も知らないサイラスに、簡潔に説明する。
ムニェカ・ホモーは、人形がこの世に現れた時から古くより確認されている存在。生まれつき魔法が使えない人形師がグリモワール、魔道書にある魔法によって作り出すという。ただの人形と違い、人間に近い肌触りと知性と体力を有し、人間と変わらぬ動きをする。まさに命を宿した、最も人間に近い人形。
しかし、彼等を生み出した人形師の人生は儚く終わる事が決定づけられる。魔導書はそもそも、魔法が生まれつき使える者だけが使う事が許される書物。魔法が使えない者が使うと、精神が狂うか短命などという代償が付帯するのだ。残された人形人間も、人に近いものであって人でない事を憂い、多くの場合は自ら命を絶つ。
「あまり聞かないけれど、本当に実在したのね」
緑髪の赤い瞳の少女は黙っている。レティシアは近付き、少女に問うた。
「...どうして、こんな事をしたの？正直に言ってくれる？そして、貴女は誰に頼まれたの？」
張り上げた責める口調ではないが、少女は自身がした事に震えているようだった。
「店長、何も盗られてないですね？」
「え！？ああ、大丈夫。何も...」
「...ヒューズさん」
「え？」
人形人間の少女は、ようやく口を開いた。
「ヒューズさんという人が、あたしを、養女にしてくれるって、でも...ここの雑貨屋に行って、4人の魔法人間を...殺してくれって...」
ここまで言って、少女は震えが収まらなかった。
「俺達を殺せ、って？その、ヒューズさんって奴が？」
と、サイラスは驚いた。
「心当たりはないですね...」
少女はうわ言を言っていた。
「失敗したら、その4人に殺されるって。やだ...死にたくない...」
サイラスは慌てて止めた。
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ルツ(プロフ) - それでは、続編に参ります！ (2017年3月13日 15時) (
レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - この話に出てきたボニーとクライドは、私のファン様レジスタンス様の作品、『リコリス・ラジアータの推理メモ』シリーズに登場するキャラです。レジスタンス様から許可を頂き、名前だけの登場となりました。レジスタンス様の作品をぜひお読みになって下さい。 (2017年2月23日 12時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - さて、ここでようやく...私のHTFオリキャラ(擬人化注意)の登場です！HTFバージョンと比べて、設定がひどく凝ってます（笑）HTFバージョンとこちらでは、色んな意味で別物であると、認識して下さい（笑） (2017年2月16日 17時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - 出てきた2人の刑事のファーストネームですが、それぞれ雑誌の名前から取りました。『ストランド・マガジン』(イギリス)と『リピンコット・マガジン』(アメリカ)です。どちらも、シャーロックシリーズを載せた雑誌として、有名です。講義で習いました。 (2017年2月2日 9時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» それは、終盤になってからのお楽しみです！名推理ですね！ (2017年1月26日 16時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
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