絹と霧が織りなす悪意 26 ページ44
けたたましい雄鶏の鳴き声で、城に寝る人達は目を覚ました。
「...良く眠れなかった」
レティシアは呟いた。アモルの所為だ。久し振りに会うと、どうしようもない感情になるのだ。
「身支度整えないとね...」
気を紛らわそうと身支度すると、扉を叩く音が。
「レティシア様、おはようございます」
プルメリアの声だ。
「ええ、起きてますよ。起きたばかりです」
レティシアは応えた。
「...」
コクっと、眠気の所為で首が落ちる。すぐに前に向くの繰り返し。
「レティシア様、頭をあまり動かさない方がよろしいかと...」
昨日散々、馬鹿にしていた侍女達がそう言った。心の内でも馬鹿にしているのだろう。
「今日は、城下をプルメリア様とお出かけになる日でございますから、それなりに整えないといけませんわ」
「...分かっているよ。昨日はよく眠れなかっただけ」
レティシアはそう言った。しばらくして、歳相応の身綺麗な姿になった。街に出てもおかしくない格好だった。
「まずは、朝食を...」
「はいはい」
侍女達に連れられて、部屋を出る。
「レティ!」
エルスペスが、嬉しそうな声で言った。ステラもライオネルも、サイラスも一緒だ。
「良く眠れたみたいだね」
「ああ、グッスリと!レティはなんで、眠れなかったんだ?」
エルスペスに尋ねられ
「興奮してて眠れなかった」
と答えた。本当の事を言ったら驚くだろう。
「レティったら...。まぁ、いいや。行こうぜ!朝飯、食べようぜ」
「おいおい、せめて朝ご飯と言ってくれよ...」
サイラスの指摘にも、耳を貸さなかった。
朝食の席に着いた。ラベンダーは上座に座っていたが、終始レティシア達に話しかけていた。
快い綺麗な声が、朝にはとても相応しい。
「城下に行くそうじゃな。気を付けよ」
「あ、はい」
女大公は、クスリと笑った。
「楽しくゆるりと過ごされよ」
昨日散々馬鹿にしていた、あのマクシミリアンがいなかった。貴族は別の場所で食事を摂るのだろうか。それはそれで、お互いが不快な思いをしなくて済む。一安心だ。
「プルメリア、あとは頼んだぞ」
「畏まりました、ラベンダー様」
彼女は、儀礼的に応えた。優雅な朝食を食べ終えた彼等は、初めて城下町に足を運んだ。
朝を迎えたばかりの、平和そのものの賑やかで活気が入り始めた街並みを。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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りぶ - 用語一覧、ありがとうございます！ すごく良かったです!!! (1月11日 16時) (
レス) id: 5f459e3a39 (このIDを非表示/違反報告)
りぶ - ルツ・ヒューイットさん» 遅くなりました、全部でなくとも見てみたいです！ (12月18日 5時) (レス) id: 5f459e3a39 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ・ヒューイット(プロフ) - りぶさん» おおお...今度は用語集でございますか...！検討してみましょう。もし制作する事になったら、またかなり時間がかかる上に、全部とはいかないかもしれません宜しいですか？ (9月3日 6時) (レス) id: d8efa9f421 (このIDを非表示/違反報告)
りぶ - 魔法一覧、ありがとうございます！ とても嬉しいです。もしもう1つ私のわがままを聞いてくださるのであれば、特殊な用語が多いのでその用語集がほしいです。が、これはあくまでもわがままですので、作者様のご意向に従います (9月2日 23時) (レス) @page17 id: 5f459e3a39 (このIDを非表示/違反報告)
りぶ - ルツ・ヒューイットさん» はい！ 待っています (7月26日 21時) (レス) id: 5f459e3a39 (このIDを非表示/違反報告)
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