絹と霧が織りなす悪意 18 ページ36
夜になった街。暖かい照明が照らしている。
その明るさは、商人が売っているマユの糸の一本一本を鮮明に仄かに照らす程。
「今がお買い得だよ!」
「真夜中の12時までこのお値段!」
「買わなきゃ大損だよ!」
上品な絹を作る国、ザイデ・フィオーレ。
絹織物や絹製品が主な売り物だった。夜になっても観光客が大勢ひしめいていた。
そのうち、1人の観光客が止まった。青年は青みがかった透明感のある布地を手に取る。
「それは特注品さ。値段は少々張るが、服にしたりハンカチにしたり、カーテンにしても喜ばれるぞ」
「......本当だな」
アモル・エンジェルの同居人の1人、スペランツァ・テナバリは呟いた。
「ナンシーが今勉強している、裁縫の道具にぴったりだ」
「へぇ、兄さんの妹さんなの?」
「口うるさいのが難点だがな。エリスとクラージュは文句言うが、買うしかないか。彼奴に頼まれたし...。幾つかくれないかな」
太っ腹だね、と背後から店主に言われ、青年は歩きだした。しかし驚いたものだ。
「あの雑貨屋の者...大公に謁見するまでに名が知れたのか...」
アモルから頼まれこの国を訪れた時、レティシア達を遠目で見たのだ。彼にその事を伝えようと、魔妖精の血を引く青年は人気のない通りを歩き、その闇に消えた。
「昼間に来たあの行列なんだろな」
2人の少年が、そう話し合っている。どちらも金髪で、13か14くらい。1人は資産家の親を持ち、1人は牧師の父を持っていた。
「ラベンダー様のお客様なのは分かるけどさ、どんな奴なんだ?」
「どこぞの貴族か政治家でもないな。かといって、王族でもない。俺、見たんだ。男2人に女は3人いた」
「あの人達は、どっかの貴族の坊ちゃんかお嬢さんか?」
「だから言ったろ。普通の格好してたぜ。お忍びかな?」
「まさかな。もう街中持ちきりなんだ」
「明日にでも現れたら、どうする?」
「引っ張って話しようぜ。まぁ、ラベンダー様はもてなしをすごくしてくる方だから、そのお客様は中々外に出られないかもしれないな」
パーティーの始まりを告げる鐘が鳴り響いた。
「あ、もうこんな時間なの...」
呑気な口調のレティシア。
「店長とエルスペス達が待ってる。行かなきゃね」
急がず慌てず、パーティーの大広間へと足を運んだ。目に飛び込んだのは、まばゆい世界だった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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りぶ - 用語一覧、ありがとうございます！ すごく良かったです!!! (1月11日 16時) (
レス) id: 5f459e3a39 (このIDを非表示/違反報告)
りぶ - ルツ・ヒューイットさん» 遅くなりました、全部でなくとも見てみたいです！ (12月18日 5時) (レス) id: 5f459e3a39 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ・ヒューイット(プロフ) - りぶさん» おおお...今度は用語集でございますか...！検討してみましょう。もし制作する事になったら、またかなり時間がかかる上に、全部とはいかないかもしれません宜しいですか？ (9月3日 6時) (レス) id: d8efa9f421 (このIDを非表示/違反報告)
りぶ - 魔法一覧、ありがとうございます！ とても嬉しいです。もしもう1つ私のわがままを聞いてくださるのであれば、特殊な用語が多いのでその用語集がほしいです。が、これはあくまでもわがままですので、作者様のご意向に従います (9月2日 23時) (レス) @page17 id: 5f459e3a39 (このIDを非表示/違反報告)
りぶ - ルツ・ヒューイットさん» はい！ 待っています (7月26日 21時) (レス) id: 5f459e3a39 (このIDを非表示/違反報告)
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