絹と霧が織りなす悪意 6 ページ24
「へえぇ...粋なご趣味ですね」
「エルスペス、そんな俗っぽい言葉を言うなよ」
サイラスに指摘されたが、彼女は怒らなかった。
「よくお分かりですね。ラベンダー大公様は他国とのつながりを強める一方、自国の利益を増やし、国民の幸福を更に向上させようと奮闘する、若くしてザイデ・フィオーレの名君の1人になろうとする方でございます」
そんな畏れ多い方にこれから会う雑貨屋の面々の緊張感など露知らず、彼女は大公の美談を淡々と語った。
現女大公、ラベンダー・マンバロウは御歳30歳。大公家の末子で、物心が付く前に母親が病死し、数多くの召使いと共に過ごしてきた。末妹に跡を継ぐ力は無いとされ、父親は長男に地位を譲ったのだが、厳格に育てられたツケが回ったのか、長男は国民の信用を失墜させる程の政策を打ち立ててしまい、責任を背負って辞めさせられたという。次に次男。そして三男。そして長女も就いたのだが、長男と同様に信用が得られず、辞めさせられた。父親が死ぬ間際にやっと、現大公が正式に政治を担う事になったのだ。彼女は国民の為に骨身を削り、やっと彼等から全幅の信頼を得ることが出来たという。
「波乱万丈な人生を、歩んできたんですね」
ライオネルの言葉に、プルメリアは頷く。
「その通りでございます。ラベンダー様の父親も黒い噂が絶えない方でしたので、国民はやっと信頼できる大公を得られたのですから」
「ラベンダー様の御兄弟は？」
レティシアは尋ねた。
「長男のブリアン様は、父君と同じ生活習慣を。次男のサイモン様は詩人に。三男のロット様は、教師になられております。長女のニュクス様はそんな兄君達のお世話と、ラベンダー様の仕事の手伝いをしております」
「ラベンダー様だけなのですか？魔法が使えるのは」
レティシアは、再度尋ねる。
「マンバロウ家は代々、魔法を使うことのないただの人間でした。それが魔法をもってして産まれたラベンダー様が生まれてから、数年の間は上へ下への大騒ぎでしたよ」
街の人々の好奇の視線を無視して、話を交わしてからしばらくして城へとたどり着いた。古いが趣深い造りで出来ていて、霧とは良く調和がとれていた。
「それでは行きましょうか。ラベンダー様がお待ちですわ」
「あぁ、いよいよか...」
サイラスは情けない声を漏らした。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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りぶ - 用語一覧、ありがとうございます！ すごく良かったです!!! (1月11日 16時) (
レス) id: 5f459e3a39 (このIDを非表示/違反報告)
りぶ - ルツ・ヒューイットさん» 遅くなりました、全部でなくとも見てみたいです！ (12月18日 5時) (レス) id: 5f459e3a39 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ・ヒューイット(プロフ) - りぶさん» おおお...今度は用語集でございますか...！検討してみましょう。もし制作する事になったら、またかなり時間がかかる上に、全部とはいかないかもしれません宜しいですか？ (9月3日 6時) (レス) id: d8efa9f421 (このIDを非表示/違反報告)
りぶ - 魔法一覧、ありがとうございます！ とても嬉しいです。もしもう1つ私のわがままを聞いてくださるのであれば、特殊な用語が多いのでその用語集がほしいです。が、これはあくまでもわがままですので、作者様のご意向に従います (9月2日 23時) (レス) @page17 id: 5f459e3a39 (このIDを非表示/違反報告)
りぶ - ルツ・ヒューイットさん» はい！ 待っています (7月26日 21時) (レス) id: 5f459e3a39 (このIDを非表示/違反報告)
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