Where there’s smoke,there’s fire 24 ページ41
ディスコ「なんでだ!?俺を恨んでないのか!?...彼女を助けられなかった、俺を...」
せきを切って言い立てる男に、一瞬たじろぐも彼は言った。
ポップ「...その事を思うと胸が苦しいが、だからと言って...誰かに八つ当たりするのは、間違っているだろう!」
言われた言葉に、口をつぐむ。意識をもうろうとしながらも、いつになく強気な口調になるポップ。
ポップ「...君は、何も恐れず私達を助けてくれた。それだけでも充分感謝している...!妻は君を死なせたくない一心で、君を助けた。どうして、君を恨む事があるんだ...。あの頃を忘れようとは思っていない。...だが、その罪にいつまでも苦しむのは、お互いよくないんだ、そうだろう⁉」
ディスコ「...!」
罪に苦しんでいた自分と大違いだ。友人は過去の悲劇に囚われる事も、現実に目を背ける事さえせず、その逆。もたらした禍根を受け入れ、立ち直っていた。楽観的に振る舞いながら、悲観的に思っていた己の身が、何とも恥ずかしくなってきた。こっちは、自分に言い訳して逃げ続けていた。
ディスコ「はは...なんか、もう...俺、馬鹿らしいや...」
苦笑を漏らしたディスコは、一息吐くと身体中の力を振り絞って
ディスコ「うあああああ...!」
痛みに耐えながら、挟まられた木材から抜け出した。
ポップ「大丈夫か⁉左脚が...」
そこから、血が大量に出ていた。
ディスコ「だ、大丈夫だ...かすり傷だ」
ポップ「このカーテンで縛るからな...!」
怪我した箇所を、縛って止血した。
ディスコ「...あんたの方が消防士に向いていると思うな」
ポップ「体力がないから向いてないね」
ガラガラと崩れ落ちる音が、響いてきた。
ディスコ「やばい...急ぐぞ‼」
2人は急いで炎に包まれた家屋を出たその瞬間、完全に家屋は焼け崩れていった。後少し遅ければ、炎の中で命が消えるところだった。
ディスコ「...セーフ...!」
と言いながら膝から崩れ落ちた。
ポップ「ディスコ君...」
消防士は、後輩に言いつけた。
ディスコ「おい、こいつを救急車に乗せろ」
ポップは救急車に乗せられた。同僚が駆けつけ、随分手間取ったがどうしたのかと、矢継ぎ早に質問してきた。ディスコは隠す事なく、微かに笑いながら答えた。
ディスコ「...悪いな...ずっと隠していたんだが...」
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ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» ありがとうございます! (2017年4月4日 12時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
レジスタンス(プロフ) - とっても面白かったです!!(*’ω’ノノ゙☆ (2017年4月4日 8時) (レス) id: 2d55fe83e4 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» そうなんです...泣く泣く見放すしかなかった者、自分だけが生き残ってしまった者...それぞれそういった傷を持っているんです。結構苦労しました... (2017年3月29日 11時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
レジスタンス(プロフ) - 全員、傷を負っているのですね…何とも言えない感じでした… (2017年3月29日 10時) (レス) id: 2d55fe83e4 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» その通りです!『火』に関係しているという理由だけでつけました(笑)出演者達『適当...』 (2017年3月15日 12時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
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