HTF小話集と短編集！！その10

恋慕の苦しみ ページ4

私は貴方を愛してしまいました。いつの間にか覚えてしまった、この恋の炎。抑えようとしても、抑えきれないのです。消える気配も、小さくなる気配もありません。

「......」

貴方は私をいつも楽しませる。それがどれだけ、私の心を引きつけたのでしょう。しかし、私は解っています。私と貴方は、決してつり合わない。
たとえ、貴方も私を深く愛していようと、私は貴方と一緒になれない。だから私は、この花を贈ります。
花言葉の意味が分かった時、鳥は巣から飛び去っている事でしょう。この恋煩いの根を断つには、それしか思いつかなかった。苦しみの恋の病から逃れられるには、貴方から去るしかないのですから。


送られてきた花は、トリトマの花だった。彼は、その花言葉を思い出した。

「...!」

彼女の想いに気づく事が、どうして出来なかったのだろう。急いで彼女の元へ来た時には、既に彼女はいなかった。


トリトマの花言葉:『恋する辛さ』、『あなたを想うと胸が痛む』


この話の主人公は女子です。相手は勿論男ですが、主人公の女子はHTF女子組の誰なのか、彼女が恋い慕っていた相手は誰なのか、皆様のご想像にお任せします。

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