Where there’s smoke,there’s fire 13 ページ30
1年前、26歳になったばかりのモールは、消火活動を行っていた。彼は新人で、その頃は目が見えていた。とあるアパートが、火災に遭っていた。ほぼ全階が、火と煙に包まれていた。
何とか逃げ切れた者がいれば当然、逃げ遅れた者も必ずいる。モールはすぐさま、火中に飛び込んだ。逃げ遅れた者を誘導して、助けていった。一旦外に出ると、既に何人かの住人が助け出され、救急車に乗せられていった。
「なあ‼お袋と親父は無事なのかよ⁉」
帽子を被った深緑色の、アライグマの16歳位の少年が、仲間に詰め寄っていた。もう1人の深緑色のアライグマも同い年で、双子の兄弟だともう1人の仲間に言われ、名前も知らされた。
モール「...まだ、あの中に取り残されているのですね?」
帽子を被っていない方の、弟が言った。
リフティ「ああ...俺達、親父とお袋と今日喧嘩しちまって...仲直りしようと思って、帰ったらこんな...」
モール「...分かりました。必ず助けましょう」
モールは親子を再会させる為に、また火災現場に飛び込んだ。その兄弟の両親は、上層階にいたと語っていた。ならば、そこに必ずいると思った。
モール「どこですか⁉いるなら、返事をして下さい‼」
何度呼びかけても返事は無かった。上層階をくまなく捜し、夫妻とその兄弟が住んでいた部屋に入った。その瞬間、熱く突き刺さるような黒煙が目に襲った。
モール「...‼」
強烈な痛みに耐えながら、壁に手を当て捜した。辛うじて見えた先には
モール「大丈夫ですか⁉」
床に伏して倒れている夫妻が。急いで駆け寄り、脈を測ったが既にもう、息絶えていた。
火傷の痕は見られず、恐らく有毒ガスの発生で死んだのだろう。
「おい‼大丈夫か⁉おい、お前目が...!急いで救急車内に戻るんだ‼」
仲間に連れられ、モールは目の痛みを堪えながら、外に戻った。
リフティ「...親父は、お袋は⁉」
モールは詳細を話した。その瞬間、顔に強烈な痛みが走った。殴られたのだ。
シフティ「この人殺しが‼早く行けば間に合ったのに、お前の所為だ‼」
「落ち着きなさい、シフティ君!リフティ君!」
仲間が取りなしたが、確かに、早く行けば間に合ったのだ。この火災で彼は盲目となり、遺された2人の遺児は彼を、消防士を恨むようになった。
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ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» ありがとうございます! (2017年4月4日 12時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
レジスタンス(プロフ) - とっても面白かったです!!(*’ω’ノノ゙☆ (2017年4月4日 8時) (レス) id: 2d55fe83e4 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» そうなんです...泣く泣く見放すしかなかった者、自分だけが生き残ってしまった者...それぞれそういった傷を持っているんです。結構苦労しました... (2017年3月29日 11時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
レジスタンス(プロフ) - 全員、傷を負っているのですね…何とも言えない感じでした… (2017年3月29日 10時) (レス) id: 2d55fe83e4 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» その通りです!『火』に関係しているという理由だけでつけました(笑)出演者達『適当...』 (2017年3月15日 12時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
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