Where there’s smoke,there’s fire 11 ページ28
10年前。当時17歳の高校2年生だったランピーは、4歳になったマイムの親戚の家に泊まっていた。その頃はまだ、マイムは喋る事が出来ていた。ランピーは今後の進路、将来の夢が決まらずにいた。その夜は、マイムと一緒の部屋で寝ていた。
マイム「ランピーお兄ちゃん!起きて!」
ランピー「んん...どうしたの...」
眠気まなこで起きたランピーは、異変に気付いた。燃え盛る炎が、目の前に広がっている。
ランピー「か、火事だ!逃げなきゃ...!」
マイム「かじ?なあにそれ?」
質問に答えず、従兄の子供を抱き抱え部屋を出たが、そこも火の手が上がっていた。
ランピー「ひゃっ...!」
マイム「パパ⁉ママ⁉どこ⁉」
マイムは両親を探す。ランピーも従兄とその妻の名前を呼んだが、返事が無い。
ランピー「外に出ているかもしれないから、早く逃げよう‼」
マイム「やだやだ‼パパとママ探す‼」
マイムが泣きながらじたばたと暴れ出した拍子に、ランピーからすり抜けてしまった。
ランピー「マイム‼ダメ‼」
眩しすぎる炎と、むせる煙の中追いかける。
そこで見てしまった。外にいると思っていた夫妻の死体が。
マイム「パパ‼ママ‼」
そこを駆け寄る幼児に、ハッと我に返る。
ランピー「近づいちゃダメ‼」
ランピーは
ランピー「いっ...!」
マイム「...‼」
マイムは目を見開き、恐怖の顔を浮かべた。目の前で両親が亡くなった事と、頭と腕から血が止めどなく流れていく、ランピーの姿を見て。あまりにも強烈な出来事に、声を出す事が出来なかった。ランピーは痛みに堪えながら、笑顔で抱き締めた。
ランピー「大丈夫?...良かった...!行こう...」
ランピーは、従兄の子供を再び抱き抱えると、炎の中を駆け抜けた。消防車は来ていた。火災の原因は、心無い者がやった放火だった。生き残ったのは、ランピーとマイムだけ。マイムの両親の死因は、倒れてきた家具による圧死。
少年はこのショックで、失声症を患ってしまった。ランピーはマイムを育てながら、決意を固めた。消防隊員になる。自他共に認める馬鹿であっても、救わなければならない命がある。
猛勉強と猛特訓の末に、ランピーは消防隊員になった。
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ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» ありがとうございます! (2017年4月4日 12時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
レジスタンス(プロフ) - とっても面白かったです!!(*’ω’ノノ゙☆ (2017年4月4日 8時) (レス) id: 2d55fe83e4 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» そうなんです...泣く泣く見放すしかなかった者、自分だけが生き残ってしまった者...それぞれそういった傷を持っているんです。結構苦労しました... (2017年3月29日 11時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
レジスタンス(プロフ) - 全員、傷を負っているのですね…何とも言えない感じでした… (2017年3月29日 10時) (レス) id: 2d55fe83e4 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» その通りです!『火』に関係しているという理由だけでつけました(笑)出演者達『適当...』 (2017年3月15日 12時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
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