Where there’s smoke,there’s fire 3 ページ20
穏やかな昼下がり。この静かな住宅街は大なり小なり、いかなる災難とは無縁の、平和な空気に包まれていた。
ペチュニア「今日、来てくれてありがとう。
ゆっくりしていってね」
大学1年生のペチュニアは、2人の客人を招いていた。かなり年下の男女、中学2年生のギグルスとマイムだ。ギグルスはペチュニアの隣に住んでいるので、両者は共に年齢に関係ない仲になっていた。その子のクラスメートだというマイムにも、喜んで招き入れた。
ギグルス「あ、マイムは喋る事が出来ないから...私が通訳するよ。喋れない彼を大目に見てあげて」
ペチュニア「あら、そうなの...解ったわ。気にしなくてもいいよ」
1人暮らしをしている女子大生が、そう優しく言われた少年は安心した表情になった。
ペチュニア「じゃあ、簡単な料理とケーキ作ろうかな...」
ペチュニアはそう言って、キッチンに向かった。
ギグルス「ペチュニアは料理上手なんだよ。
出来上がるまで待っていようよ。改めて...誕生日おめでとう!」
マイム『うん...!ありがとう!』
少年少女は笑いあっていた。
ポップ「はぁ...やっと出来た...!」
38歳の童話作家、ポップは数ヶ月もかかっていた下書きを、ようやく完成した。後は少し肉付けをして、本格的に執筆するだけだ。
カブ「パパァ!」
2歳の我が子が、よちよちと駆け寄ってきた。
ポップ「ん?ああ、カブ。寂しかっただろう。パパはやっと仕事が終わったんだよ」
幼い息子を抱き上げて、父親は微笑みながら言った。
ポップ「だから、これから散歩に行こうか」
カドルス「はぁ...」
小学6年生の少年、カドルスは膨れっ面で深い溜め息を吐いた。少年の腕には、可愛らしい猫が。捨てられていたところを拾ったのだが、親からは『家じゃ飼えないから保健所に届けなさい』と言われたのだ。
カドルス「飼いたかったのになぁ...」
ナッティ「フレイキー!」
フレイキー「ひゃっ⁉...あ、ナッティ...!」
22歳の2人のこの男女は、割と大きな洋菓子店でアルバイトをしている同僚だ。正式に働くにはまだ、長い日数がかかるが。
フレイキー「ちゃんと、働いてね...。また、つまみ食いして店長に怒られても、知らないからね...」
ナッティ「えへへ、甘党だからいいじゃない」
フレイキー「全く...」
冷たく乾燥した風は、何かを告げるように吹いていた。
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ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» ありがとうございます! (2017年4月4日 12時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
レジスタンス(プロフ) - とっても面白かったです!!(*’ω’ノノ゙☆ (2017年4月4日 8時) (レス) id: 2d55fe83e4 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» そうなんです...泣く泣く見放すしかなかった者、自分だけが生き残ってしまった者...それぞれそういった傷を持っているんです。結構苦労しました... (2017年3月29日 11時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
レジスタンス(プロフ) - 全員、傷を負っているのですね…何とも言えない感じでした… (2017年3月29日 10時) (レス) id: 2d55fe83e4 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» その通りです!『火』に関係しているという理由だけでつけました(笑)出演者達『適当...』 (2017年3月15日 12時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
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