HTF小話集と短編集！！その10

傷ついた赤い糸 ページ15

深夜0時に剃刀を口に咥えて水の張った洗面器を覗くと、将来自分と結ばれる相手が見えるという。

ラミー「本当なのかな...。試してみよう」

有言実行、早速知った手順でやり始めた。剃刀を咥えて洗面器をしばらく覗いてみると、ぼんやりと見知らぬ男が見え始めた。

ラミー「！？」

驚いた拍子に、剃刀を洗面器に落としてしまった。洗面器の水が、赤く染まっていくのに恐怖を覚えて飛び退いたが

ラミー「あれ...？」

洗面器の中は、透明な水が張ってあるだけだった。水面に映る彼女以外は何も映っていない。

ラミー「気の所為かな...」

彼女はそのまま寝入ってしまい、そのまま忘れてしまった。やがて時が流れ、ある男性と知り合い交際を始めた。でも、その男性はずっとマスクを付けていた。風邪を引いているのではないと分かると、彼女は尋ねた。

ラミー「どうしてマスクを付けているのですか？」

すると、男はマスクを外した。生々しい傷跡が露わになる。

ラミー「どうしたのですか！？その傷！」

醜い傷跡を見せつけながら、男は叫んだ。

「お前の所為だよ！！」

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