HTF小話集と短編集！！そのⅤ (ページ7)

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透明狂騒曲 3 ページ7

スニッフルズ「大丈夫ですかねぇ...」

優等生は不安げに呟いた。しかしその不安は、ある意味当たってしまった。

カドルス「どうしよっかなぁ...。あ、そうだ!」

カドルスは小さなゴミ箱を蹴った。

「わ⁉何⁈」

「ゴミ箱が倒れた...⁉」

1組の男女の声がする。それが合図だ。

カドルス「あぁ、ごめんなさい。僕です」

透明人間になったカドルスが、2人の前に現れる。制服が浮かんでいるが身体は無い。

「きゃあああ!」

「うわああああ!」

2人は逃げていった。

カドルス「あっはっは!成功!」

少年は次の悪戯をしに、向こうに行った。ギグルスも同じだった。

ギグルス「何をしようかなぁ」

物陰から探すと、ガールズトークを繰り広げている数名が。全員はお喋りに夢中で周りに気付いていない。

ギグルス「そうだ!」

ギグルスは彼女達のペットボトルを持ち、思い切り振り始めた。女の子達は気付いていない。振り終えると元の位置に戻して去る。彼女達がペットボトルを手にフタを開ける。振られた炭酸飲料が弾ける音を立てて高く上がり、顔や服をびしょ濡れにさせた。

「きゃあ⁉」

「何よ⁉」

「誰がやったのよ⁉」

ギグルス「私だよぉ」

透明人間になったギグルスが登場。女の子達は、悲鳴を上げて逃げて行った。

ギグルス「お菓子いただくよぉ」

残されたお菓子を頬張りながら、ギグルスは去った。一方、トゥーシーは本屋を見つけた。ニヤリと笑い入った。そして本棚の本を崩し始めた。あちこちから、騒ぎの声が聞こえる。

「透明人間だ!」

「透明人間が本を落としてる!」

「待って!やめて!」

店員が捕まえようと近づく。流石にやりすぎだ。トゥーシーは身をかわし、軽やかに出て行った。

トゥーシー「鬼さんこーちら!捕まえてごーらん」

そして無事に逃げ切れたのだった。一方、とあるお菓子屋では。

ナッティ「えへへぇ、お菓子食べ放題だぁ」

透明人間になったナッティが、お菓子を頬張っていた。次々と無くなっていくお菓子。店員が来る気配を察して、物陰に隠れる。

「な、何なんだこれは⁉...店長‼...店長‼」

ナッティ「えっへへ!お菓子美味しかったよぉ!もっといただくねぇ」

抱えきれない位に持ち込むと、すぐに出て行った。

カドルス「悪戯どうだった?」

集合した4人。彼等は満更でもない表情を浮かべていた。