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紫乃は今や立派な姫君に成長した。お転婆は残っているものの、謁見や婚姻を求める文は絶えない。


全て半兵衛が跳ねているが。


「どこぞの世継ぎに嫁がせるよりも信頼できるからね。昔からくっつけてしまいたいと思っていたんだよ」


「昔から!?」


「三成君に言ってみたらしっかり頷いてくれたしね。周りの目も考えると無条件という訳にはいかないから件の約束を交わしたのさ」


「それでなんすか……」


確かに千も兜首を討ち取れば周りを納得させるのに十二分だろう。強さを重んじる豊臣なら尚更。


そういえば三成は帰還するとまず半兵衛か秀吉のところに行くのに今日は真っ直ぐ城内に入ってしまった。


「三成様、まだ報告来てないんすよね?」


「紫乃のところに行ったんだろうね」


「三成様は純粋で素直な方でいらっしゃいますから」

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作者名:クヴァール x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2024年2月19日 10時

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