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他の執事よりも兄弟といる時間が長いからか、まるで兄や姉のように慕われていた。
以前は脆弱ゆえほとんど執事邸での業務だったのだが、幼い頃のイルミが珍しく駄々を捏ねて世話係へ。やがて兄弟専属の執事となった。
“おれ こいつじゃなきゃヤダ”と言われたのが懐かしい。懐かれる理由は分からないままだが。
「本日の茶菓子はスコーンにございます。紅茶はダージリンのストレートを入れさせていただきました」
「毎日組み合わせが異なるようだが、何か違うのか?」
「相性でございます。菓子によって相性の良い紅茶は異なり、逆もまた然り」
「ふむ やはり貴様ほど出来た執事はおらぬわ。ゆえに我の専属に…」
「私はご兄弟皆様方の専属ですから
では失礼致します」
そう言ってハクオウはキルアの部屋に急いだ。ゲームを1度だけでいいから一緒にやれと言われているのだ。
友達にはなれないが、執事として従うことはいくらでも出来る。
自分は兄弟専属執事だ。従わずしてなにが従者か。
「あ、ハクオウみっけ」
「イルミ様 申し訳ございませんが先約がありますので」
「やだ」
「やだではありません」
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作者名:クヴァール&くろのちか x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2018年7月10日 21時