＊003 お昼 ページ4
昼は購買で買う人と食堂で食べる人。
そして弁当持参の人に別れる。
大体は購買で買う人が多い中、自分は弁当持参。
「………あの」
「…？」
弁当を包んでいた風呂敷を解き
さあ、食べますというところで声をかけられる。
それは僕と“初めまして”を交わした彼女だった。
「お弁当、一緒に食べていいですか」
「………どうぞ」
何を言ってるんだと思ったがクラスメートならするか、と納得してしまう。
「いただきます」
「…いただきます」
椅子を引っ張り向かい合わせで食べる二人。
教室で食べる人は少なく廊下や決まったところで声が賑わっている。
「えっと…ゆ、りんさん？」
「さん、じゃなくてもいいかと…」
「じゃあゆりんくん」
ゆりんくん。
彼女は高校生になった俺を誰よりも早くそう呼んだ。
ゆりんくん。ゆりんくん。
毎日飽きもせずその名前を呼び続けていた。
でも今のゆりんくん。は状況が違う。
「ゆりんくんは私と友達だった？」
「…どうだろう、俺はそう思ってたけど」
嘘、友達以上だ。
友達なんて思ってなかった。
俺の一方的な片想いにしか過ぎない恋。
それでもよかった。
想ってるだけで幸せだった。
「じゃあ、また友達だね、よろしく」
「うん、よろしく」
でも彼女の記憶からゆりんが消えたように
僕の心からAが消えた。
いや、今も残っている。
でも無理やり押し込めた。
箱に鍵をかけるようにこの気持ちを。
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ゆず - ばっどえんどの恋愛小説っていいですね〜 (2015年2月14日 0時) (
レス) id: 202867a570 (このIDを非表示/違反報告)
綾結(プロフ) - 新作おめでとうございますー！鹿さんがシリアス書かれるということでﾋｬｯﾊｰ!してました。お体に気をつけて下さい…！応援してます！ (2014年10月28日 23時) (レス) id: d1aba36142 (このIDを非表示/違反報告)
はつね(プロフ) - 新作おめでとう！お鹿のシリアス？なのかな？ということでテンション上がってます！更新はお鹿のペースで 無理せずに頑張れ！ (2014年10月28日 8時) (レス) id: 15f0901f94 (このIDを非表示/違反報告)
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