＿最終決戦とは名ばかりの＿ ページ9
『ドーナ、さん…？』
dn「はい。お迎えに上がりました。私達の姫」
なんてキザなセリフもキュンとしてしまうほどにドーナの姿がかっこよく見えた。これが吊り橋効果とやらだろうか。
gr「俺らもいるゾ」
nkm「無視してもらっちゃあ困るなぁ」
ドーナの後ろには沢山の仲間がいて、涙が出そうになった。
私はひとりじゃない。私にはせんせいだけじゃないんだ。
もうこんなに力強い仲間がいるんだ。
rd「よかったね、A」
『でもやっぱせんせいがヒーローかな』
rd「…え？」
『だからそんな悲しそうな顔しないで…ね？』
顔を背けられてしまった。せんせいは自分がどんな顔をしていたのかわかっていないんだろう。
すっごく寂しそうな顔をしていた。
だから私はひとりじゃなくなっただけで、皆の中にせんせいはいるってことを教えてあげたのだ。
顔が見えないから分からないがきっとこの言葉は正解だったのだと思う。
教え子の独り立ちというのも寂しいものがあるのだろう。
皆が来てくれたことで安心して忘れていたが、神に目をやると俯きながらワナワナと震えていた。
km「＿＿ん、で＿」
神が言葉を発する。
それだけでさっきまで明るくなりつつあったこの空間が氷点下まで達したかのように寒気が漂う。
km「なんで！なんでなんだよ！俺は神様なのに！こんなにも自由なのに！なんで誰よりも自由を欲していた君がそれを否定するんだ！なんでそんなに他人に自分の人生を委ねようとするんだ！
なんで！」
誰もがその気迫に圧倒されていた。
km「誰も俺の願いは叶えてくれないんだ…」
そうだ。この神は私たちの願いをかなえてくれた。
こんな幼子のように我儘な彼が、他人の願いを叶えて嫉妬や欲望を乱さないわけがないだろう。
あんなにも神というのは力を持っていて自由のようなものなのに、やりたいことというのは結局できていなくて、その結果こんな形で欲望が暴走してしまったんだ。
そんなことを考えて勝手に神を哀れに思う。
その心の隙間を神は見抜いてきた。
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彩世(プロフ) - ()さん» コメントありがとうございます！長らくお待たせしましたが、完結までご愛読いただきありがとうございました！新作の方も更新頑張りますのでよろしくお願いします！ (2月20日 20時) (
レス) id: ae3caf883a (このIDを非表示/違反報告)
() - 完結おめでとうございます！！新作も見させていただきます！！ (2月20日 10時) (レス) @page28 id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
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