＿偽物でも愛させて＿ ページ40
そう、彼女は地獄の支配者。言い換えれば神様とも呼べる存在だ。
トンバを世界を総べる神だとすれば、彼女は生と死を司り数多の鬼を配下とする地獄の頂点。
「地獄の支配者だなんて、そんな堅苦しいよび方しないで。ヘルと呼んでくれる？」
そう指で髪を遊びながら彼女、ヘルが言うが誰一人としてそれに応える者はいなかった。
まだ、この状況を飲み込めていないのだろう。
hr(ヘル)「君達は所謂当て馬だよ」
kt「当て馬…？」
hr「そう、あの我儘な創造神のために創られたのが君達さ」
曰く、こうだ。
我儘すぎる少年を見兼ねた神々はその少年と取引をした。その少年こそが創造神である。
創造神は自由と引替えに退屈な日々を送ることになる。
そんな中天界から見つけたのがAだった。Aと言っても、彼女が死ぬ前の姿だが。先程彼らが見とれていた黒髪の女はAの前の姿である。だからこそ彼女に惹かれていたのだろう。魂は同じなのだから。
我儘な創造神は彼女を手に入れたがった。
だから、殺した。神の権限を使い、運命を捻じ曲げ、彼女を自分が創った世界に閉じ込めた。それが、今のAでありこの世界である。
hr「ここまでは理解出来たかい？」
ut「え、ちょっと待って？！え〜と…、つまり、トンバさんはAちゃんがめちゃくちゃ好きってこと？」
hr「まぁ、そうだな。彼にとってきっとこれは恋愛感情と呼ぶのだろう。というか、生徒会の者共は漸く創造神…トンバのことを思い出したのだな。全く…ここまでしないと気づかないとは…」
そうヘルが項垂れると生徒会のメンバーは肩を竦め、目をそらす。対してヘルに同意するように裏生徒会は首を縦に振った。
先程まであれほど警戒していたのにも関わらず仲が良いのは、それは誤解だと理解しているからだ。
hr「話を続けるぞ。
この世界は元々は乙女ゲームという設定はなかった。それもそのはず、創造神とは言えど彼はまだ未熟だからな。そもそも、創造神という役目を少年に与えたのが私だから、私は創造神の上位互換だと思ってくれれ構わない。この世界を乙女ゲームなどというメルヘンチックな世界に変えたのは私だ」
ci「それは…なぜ、？」
hr「トンバが彼女を愛したように、私も彼女を愛していたから。いや、そう仕組まれたと言った方がいいな」
困ったように笑うヘルの姿は、まるで幼子を見守るような慈愛に満ちた瞳をしていた。
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彩世(プロフ) - アホを愛せさん» コメントありがとうございます！そう言っていただれひとても嬉しいです！更新不定期ではありますがこれからもぶっ壊シナをよろしくお願いします！ (2023年1月19日 18時) (
レス) id: ae3caf883a (このIDを非表示/違反報告)
アホを愛せ - 最近見始めました！！とても面白いです！これからも更新頑張って下さい！！ (2023年1月18日 22時) (レス) @page12 id: 92500eea4b (このIDを非表示/違反報告)
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