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自販機の前に置いてあるベンチに腰掛けて2人で座る
座ると立っていた時よりも距離感が近くて少し戸惑う
翔太先輩がコーヒーを飲むタイミングに合わせて自分もカフェオレを飲んだ
苦く感じるのは気のせいだろうか
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翔太「俺がAと別れた理由、飽きたからじゃないよ」
「え、？」
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翔太先輩の口から発せられた言葉は私を驚かすには十分すぎる言葉で思わず声が漏れてしまう
翔太先輩の目はずっとまっすぐ私を捉えていて、この事が嘘じゃないと物語る
……私が昼に資料室にいたこと、翔太先輩知ってる……？
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翔太「…昼にA、資料室にいたでしょ。あの時言ってたのは嘘。」
翔太「…別れた本当の理由は、Aのためなんだ」
「……私、のため、？」
翔太「うん。別れる1か月前くらいに、俺がB社と取引してたことは知ってる？」
「…うん、知ってる」
翔太「その取引先の麗華さんって分かるかな、」
「あぁ、分かるよ。すごく綺麗な人」
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麗華さんは業界では有名人で、容姿端麗で成績抜群のエースだ
……性格はあんまり良くないって聞くけど…。
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翔太「麗華さんに脅されてたんだ。「私と付き合わないとAにどんなことするか分からないよ」って…。」
「…え、？」
翔太「…Aに何かあってからじゃ遅いし、何より俺はAが一番だから」
翔太「…だからAと別れた。今までずっと言えなくてごめん」
「……今は、麗華さんと付き合ってるの？」
翔太「会社に俺を脅していたことがバレて解雇になったらしい。ついこの前B社から俺に謝罪のメールが来たよ。だから今は付き合ってない」
「…そ、うなんだ」
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翔太先輩はずっと私を見て話してくれる。嘘をつくような人じゃないからこの話は全部本当だと思う
この秘密を今までずっと言えなかった翔太先輩はどれだけ苦しかったんだろう
きっと私の何倍も苦しかったはずだ
そう考えていたら、無意識に翔太先輩の頭を撫でていた
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翔太「……A、？」
「……っ、ご、ごめん。無意識だった」
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翔太先輩の頭に触れていた手を戻そうとした時、ふと私の手首を掴まれる
視線が絡み合う
時が止まったのは恐らく1秒もない
．
翔太「………好き、だ。」
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作者名：相翔 | 作成日時：2020年8月9日 14時
