#17 ページ17
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しばらく給湯室で1人でいると時刻はもう定時前
…給料泥棒しちゃったな、まあ、仕事終わってたしいいか
好きでいるのやめるって何、？なんなの？？
最初は悲しかったのに、今では怒りさえ覚えてきた
なんなんだあいつは。無かったことになんてできるわけないじゃないか。私はもう目黒のこと好きって気づいたのに
こんなの、ずるい。目黒に振り回されっぱなしな自分にもだんだん腹が立ってきた
……もう、逃げない。私の気持ちからも、目黒の気持ちからも、翔太先輩の気持ちからも
パチンと頬を叩いて給湯室を後にした
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「康二先輩、お疲れ様でした」
康二「Aお疲れ様ー！またな！」
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定時を迎えて康二先輩と挨拶を交わす
……私にはまだ、やらないといけないことがある
翔太先輩に、きちんと返事をしなければならない
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1つ大きく息を吸って、翔太先輩のデスク前に来たはいいけど肝心の本人がいない
まさか、もう帰っちゃった……？
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深澤「……Aちゃん？！」
「ふっかさん、！」
深澤「もしかして翔太探してる？」
「あ、はい、」
深澤「翔太ならさっき廊下ですれ違ったから、向こうかも！」
「ありがとうございます！」
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翔太先輩を探しにふっかさんの指さした方へ走る
無駄に早い鼓動は自分が走ってるからなのか、この言葉を言うことに緊張しているからなのか
胸の鼓動を落ち着かせて足を止める
……いた、私の探していた人
大好き
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「……っ、翔太先輩！！！！」
翔太「……A？」
「あの、話したいことがっ、あって」
翔太「……ん。とりあえず、どっか座る？」
「……うん、」
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少し歩いたところにある椅子に2人並んで座る
窓から差し込む夕日が眩しい
翔太先輩の目は私を捉えないままだった
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翔太「あの日から2週間も経ってるから、そろそろかなって思ってた」
翔太「…返事くれるの？」
「…うん。返事をしに来た」
翔太「……聞かせて？」
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翔太先輩と初めて目が合う
翔太先輩の目は私を離さなかった
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作者名：相翔 | 作成日時：2020年8月9日 14時
