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温かい湯船に身体を沈め、さっきのことを思い出す。あんなことをされて意識していないと言えば、嘘になってしまう。
余計なことを考えてしまったせいで少しのぼせてしまった。お風呂から上がりタオルに身を包むみ身体に纏まりついている水滴を吸収する。だらっとした桃色を基準にしたワンピースタイプのパジャマを着る。
リビングに寄り髪の毛を乾かそうとドライヤーに手をかけた。しかしその手は誰かによって阻まれてしまった。誰かを疑うまでもない。今後ろにいるのが誰かなんて、考えなくてもわかる。
『A、俺が乾かしたる』
さっきの色気のある紫耀はどこへ行ったのか、いつも通り子犬のような愛らしい笑顔を浮かべていた。
『わ〜Aの髪めっちゃサラサラで、ええ匂いする』
「そう?ありがとう」
優しい手つきで髪を乾かしてくれる紫耀。恋人ができたらこんな感じなのだろうかと考える。
『終わったで、はよ部屋行こ』
「わ、ちょい」
強引に私の手を引いて部屋へと入る。ゴツゴツした手に男らしさを感じる。
『よし、寝よ!ほら、来て』
ぐいっと腕を引かれたかと思うと、ベッドの上に転がされていた。隣には紫耀がいて、変な緊張をしてしまう。
何を話していいものかわからず、ずっと黙ったままでいると、急に紫耀から抱き締められた。ふわっと、紫耀の柔らかくて優しい、いい匂いがする。
『めっちゃ恋人みたいやんな』
「あの……私、床で寝るから離して?」
『いーや。絶対一緒に寝る。逃げられへんようにずーっと、ぎゅってしとくから』
馬鹿野郎、こんなんじゃ寝付けないじゃないか。そう思っていたのは私だけで、すぐ近くで寝息が聞こえてきた。よくこんな状況で寝れるなお前は。
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も。(プロフ) - みるくプリンさん» お褒めのお言葉ありがとうございます。面白いと感じていただけたようでよかったです。自分の想像力をフル回転させながらお話を練った甲斐があります(笑)是非これを機に少しでもキンプリを知っていただけたら(笑)コメントありがとうございました! (2019年8月22日 11時) (レス) id: 677285a89c (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - はじめまして!面白くて一気読みしました。実はキンプリ詳しくないんですが、めっちゃキュンとしました。これからも頑張ってくださいっ(*´∀`) (2019年8月22日 6時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:も。 | 作成日時:2019年8月15日 5時