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*87*輝いている時間 ページ46

すると、いつの間にかいなくなっていた店長が、可愛らしくリビングの扉から手招きをして。

「96ちゃーん、灯油さーん、Aー、天月くーん。ホットケーキ食べよ、ホットケーキ」

そう言った。
気がつけば、他の人たちも玄関ホールからいなくなっている状態で。
…え、どうして。

そう思うと、96ちゃんがそれを口に出した。

「え!なんでみんないなくなってるの!?」

96ちゃんのその言葉に、灯油さんが呆れたように答える。

「あのな、お前が落ち着くの待ってたらきりがないと思ってだな」
「えええええぇぇ」

がびーん、と音をたてそうな勢いで固まる96ちゃん。

そこを、店長がさらに追い詰める。

「96ちゃんがご乱心中にもう全部準備しちゃったよーっだ」

…結構、可愛かった。

すると、するりと取られる右手。

驚いて右側を見ると、なんともナチュラルに指をからませた天月くんが笑った。

「ほら、さっさと行こ?96ちゃんと店長のホットケーキ、ちゃんと小麦粉からやってるから絶品だよ」
『うっ、うん!』

やっぱり自然な笑顔が似合ってるな、なんて思った。

機械的な、作り笑顔の天月くんはもういない。
少なくとも、私にはもう見せない。

…それと、今手をつながれてどうしていいか困っているというのはまったくの別物だが。

「あーっ、Aに天月くんがまたセクハラしてるぅううう!」
「…あれはセクハラって言わないだろ」

ビシィ!と天月くんを指差す96ちゃん。
それを笑いながら制する店長。
そして、呆れ気味に笑いを漏らす灯油さん。

それをしっかりと見る暇もなく、リビングに入った。

――――すると、お決まりの右からくる衝撃。

むぎゅっと抱きつくまふくんが、やっぱりそこにはいて。

「天月くん手ー離して!俺が椅子まで連れて行くの」
「えぇえ…」

不満そうな天月くんを振り切って、私はまふくんにダイニングルームに連れて行かれた。
そこには、みんなが待っていて。

テーブルの上には、おいしそうなホットケーキ。

…そのあまりの多さに驚いたけれど。
すると、後ろから来たらしい4人が私の背中を押す。

「ほらほらっ、Aも座って」
「早くしないと俺のホットケーキさめちゃう!」
「…遠慮しないで食べろよ」
「今日、Aの隣俺ね」

最後の天月くんのせりふににらみをきかせるまふくんに苦笑。

――――でも。

みんなが楽しそうなこの空間、…すごく、すごく素敵で、輝いていると思った。

〜〜
天月くん編終了!
お疲れ!←

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しぃ - この作品の空気が大好きです!これからも更新頑張ってください! (2017年1月23日 2時) (レス) id: b6bffe2f4c (このIDを非表示/違反報告)
kai - イケメンか!みんなイケメンか! うわぁぁぁ! (2016年5月9日 17時) (レス) id: 9a244b794f (このIDを非表示/違反報告)
ミャン(プロフ) - さやえんどうさん» レスありがとうございます。楽しみにしてます。 (2014年7月6日 14時) (レス) id: 3df0169470 (このIDを非表示/違反報告)
さやえんどう(プロフ) - ミャンさん» うわああ気づかなかった・・・!レスものすごく遅れてごめんなさい! えーっと、それはものすごい後の伏線になってますね・・・!お楽しみに! (2014年7月5日 22時) (レス) id: 6ce064ce99 (このIDを非表示/違反報告)
ミャン(プロフ) - 68の最初のところでそらるさんは何を撮ったんですか? (2014年2月11日 14時) (レス) id: 8abaadbd6f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さやえんどう | 作者ホームページ:http  
作成日時:2013年3月2日 12時

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