*80*極上スマイルの裏に ページ39
さーっと血の気がひく私を、天月さんが笑いながら見ている。
いや、笑ってる場合じゃないんだってば!
―――――――――すると、ふと耳に飛び込んできたアンさんの声。
「うん?そう、そうそう、駅前のケーキ屋さん。おいしいって有名なとこ。あ、マカロンは美味しかったよー…え?どうでもいい?ひっどいな」
どうやら、携帯電話で通話をしているようで。
…さっきから、嫌な予感しかしない。
その証拠に、天月さんがニコニコ、それはもうニコニコしている。
アンさんが通話をしつつこちらを向く。
私の視線に気がついたのか、または元から気がついていたのか。
…しかし、そんなことを考える余裕なんてなかった。
だって、アンさんがどこぞの王子様のような顔で微笑んだから。
――――あ、これ相当やばいかも。
直感的にさとる。
これはやばい。
というか、シェアハウスの人はなぜかほとんど、不吉な宣告(私にとって)や、嫌なこと(私にとって)を言うときは微笑む。
それも、極上なスマイル。
こんなときじゃなくて、もっと違うときに見たかったというくらいの極上のスマイル。
そして、アンさんはその中でも飛びぬけて極上のスマイルである。
…もちろん、その分口から発せられる“ヤバいこと”の重みも飛びぬけて極上だが。
―――――…………そして、その予想は今回も当たった模様である。
「じゃあ、今すぐ来なよ、まふくん」
『っ…アンさん!』
声を張り上げる私に、アンさんが「さすがにヤバかった」と呟いて通話をきる。
隣では、天月さんがすごく楽しそうにおなかをかかえて笑っていた。
「まふくん“達”、来るって!」
…どうやら、また騒がしくなりそうである。
いや、いつも騒がしいけれど。
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しぃ - この作品の空気が大好きです!これからも更新頑張ってください! (2017年1月23日 2時) (レス) id: b6bffe2f4c (このIDを非表示/違反報告)
kai - イケメンか!みんなイケメンか! うわぁぁぁ! (2016年5月9日 17時) (レス) id: 9a244b794f (このIDを非表示/違反報告)
ミャン(プロフ) - さやえんどうさん» レスありがとうございます。楽しみにしてます。 (2014年7月6日 14時) (レス) id: 3df0169470 (このIDを非表示/違反報告)
さやえんどう(プロフ) - ミャンさん» うわああ気づかなかった・・・!レスものすごく遅れてごめんなさい! えーっと、それはものすごい後の伏線になってますね・・・!お楽しみに! (2014年7月5日 22時) (レス) id: 6ce064ce99 (このIDを非表示/違反報告)
ミャン(プロフ) - 68の最初のところでそらるさんは何を撮ったんですか? (2014年2月11日 14時) (レス) id: 8abaadbd6f (このIDを非表示/違反報告)
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